転生したら大鬼だった件
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サクサクと軽い気持ちで地下2階、3階へとすすみ、じわじわ増えてきたスライムなどの雑魚を蹴散らしながら進むと…あっという間、とは言っても勇者マサユキより早く到着するわけにはいかないので、適当に時間をかけながら5日目に10階のボス、オーガロードと相見えた。
ギロリとこちらを睨むオーガロードの視線から、リエナさんを隠すように立ちふさがりつつ、左手首に装着してある盾で防御姿勢をとりながらいつでも攻撃出来るよう逆手で柄に手を当てて考える。
普段ならこんな雑魚、急所を一突きでKOなんだけども…そんなことをしてしまうと超目立つので、それは避けたい。
それに、今手にしている武器の切れ味はいつものとは格段に違うので、下手をしたら折りかねない。
とりあえず…適当に短剣で傷をつけつつ、ダメージが一目で分かりにくい打撃…蹴りでダメージを蓄積させて、良い感じのタイミングでリエナさんの魔法攻撃で勝利!というシナリオにしよう。
「クコさん…」
思考加速を使用していたため、数秒に満たない間オーガロードと見つめ合っていた私を不安げに見つめているリエナさんを振り仰ぎ、ニッコリと不敵な笑みを浮かべる。
「リエナさんはとびっきりの魔法の準備をお願いします。
そして、私の合図で打ってください。
…あ、もちろん火は止めてくださいね!」
「わかりました!」
リエナさんが真剣な表情で頷いたのと同時に、オーガーロードは持っていたトゲトゲ棍棒を振り上げた――。
▼ ▲ ▼
轟音と共に荒れ狂っていた風が収まると、オーガロードが光と共に消えていくのが見えた。
「や、やったー!」
ふらふらと座り込んだリエナさんは、徐々に10階を突破したことを理解したのか…涙を浮かべながら喜びを噛み締めているの見つめながら、ぐぐっとひとつ伸びをする。
やっぱ迷宮は縛りプレイするより、思いっきり全力で暴れた方が楽しいな!
そう結論づけて、迷宮の外へと向かうべく…リエナさんの腕を引っ張ってワープポイントへと向かった。