よくわからないけど、君と居るのが1番落ち着くんだ。
>>冨岡 義勇
私は、しがない
隠の一人の筈なんだが??なぜ、水柱様は毎度私の背中に乗ってくる?????そもそも、皆同じ服装で…目元しか見えてないはずですよね??むしろ背後からでよく分かりますね????
いえ、最初は見境なく隠を見ると乗ってくる方(これはこれで既にやばい)かと思ってたんです。でも、違ったんです…。他の隠の方に聞いたら(どん引きされた)、そんなことないって…!えっっっ???
「・・・・」
「・・・・・・」
そんな訳で、水柱様は私の背中に乗ってます。何故か強制的におんぶしてます。いや、なんで?!なにか喋って下さいよ、水柱様ァ!と思うも虚しく、おんぶしたまま藤の家に案内する事になった…。
「あの、水柱様…着きましたが?」
「…そうか」
もー!蟲柱様じゃないですが…そんなんだからも――!!
「あの、降りていただきたいのですが」
「……、そうか」
どことなく悲しげな声に聞こえるけども、水柱様は私より背が高いですし、当然筋肉も多いです。つまり…重い!幾らおんぶ出来ても、長時間背負う…いやなんで意味もなく私が水柱様をおんぶしなくてはならないのか!!早く降りて!という気持ちでパッと水柱様の脚を掴んでいた手を離す――が、蝉のように水柱様は私の背中から離れなかった。
「・・・・!、・・・・・・!!?」
「・・・・・・?」
無言でその場をぐるぐる周り、なんとしてでも降ろそうと試みても…腐っても?柱。びくともしないどころか首を傾げる始末!絶望に打ちひしがれた表情で振り返り、水柱様を見詰めていると、急に私の肩口に頬を寄せ(なんでだ!)、呟いた。
「よくわからないが、貴方と居るのが1番落ち着くんだ。」
2021/04/29