幼馴染
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「…クコちゃん?」
カプセルコーポレーションの一人息子でボンボン、トランクスは…何を隠そう私の幼なじみなのである。
まぁ、隠してたというより誰にも言ってなかっただけで、別に隠すつもりなんてなかったんだからね!と誰かに弁解しつつも、この幼なじみとは数年ぶりの再会である。
とはいっても有名人のトランクスはしょっちゅうTVに出てるので、別に私は久しぶりに顔を見た。という感覚はない。
「あー、久しぶりだね。トラン君」
両目を見開いて私を見つめてくるトランクスに、渋々片手をあげながらゆっくり近づく。
ちなみにトランとは私が勝手に命名したニックネームで、トランクスという名前を言うのが純粋に嫌だったから…というのは墓場まで持って行くつもりである。
ともかく、トランクスに呼び止められるとか…面倒なことになりそうなので無視したいが、名前を呼ばれたし、コイツはどう見えても鍛えている。…私なんぞが逃げ切れるはずがない。
こっそり溜め息を付いていると、嬉しそうに破顔して駆け寄ってきた。
「一瞬誰かと思ったよ」
何故か照れたように言うトランクスに、昔より性格とか丸くなったなぁ…。と思った。
昔は可愛かった!というより、ツンツンと口が悪かった!という感じの少年だった。
それがいつの間にか…まぁ、立派になって!とオバサン臭い事を考えてしまった。
そんなことより、私が私だと気がつかなかった理由…それは髪型やメイク、そして服装のせいだと思う。
トランクスと一緒に遊びと称して天地問わず駆け回っていた時は、トランクスより少し長い位の髪型で、絶対ズボン!だった。
今は肩より長い髪をゆったりと三つ編みで、ブラウスにカーディガンを羽織って膝丈のフレアスカートにパンプスという姿。
そりゃ分からなくても仕方がない、と思う。
「…あの、クコちゃん?」
「なに?」
物思いにふけっていたのが悪かったのか、困った表情のトランクスがおずおずと声をかけてきた。
「その、久しぶりに会ってすぐに言うのもアレなんだけど…付き合って欲しいんだけど…」
「分かった」
「本当に!?」
付き合うって、ブルマさんのしょーもない実験か何かかな?と思いながら頷くと、ビックリするぐらいに喜んだトランクスに驚く。
トランクスが驚くくらいだから、よほどしょうもなくて被写体とかそんなのが見つからなかったのかな?
「それで、どこに行けば良いの?」
「…えっ?」
「…え?」
ピタッと動きを止めたかと思うと…ワナワナと震えだしたトランクスに戦々恐々としていると、凄い形相とスピードで私の肩を掴んだ。
思わずビクッとなったのは仕方がないと思う。
「そうじゃなくて!
俺の、彼女に、なってほしいんだ!!」
意味分かる?と顔を近づけてきたトランクスに戸惑いながら、反芻する。
オレノカノジョニナッテホシインダ?
…俺の彼女になってほしいんだ??
そう理解した瞬間…顔が真っ赤なって、思わずトランクスを全力で殴ってしまった。