Short Story
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「オレさまのこと、好きなんだろ?」
195cm(非公式)もある高身長から繰り広げられる、上からの壁ドン。なお、対象者の身長は150cm程度である。…恐怖と圧迫感しかねぇわ!しかも、さも当然という表情付き。
だがしかし!私の推しはッ!キバナさま(ついつい様付けしちゃうのなんでだろ〜♪)ではなくッ!!ビートくん!!!今日もビートくん見に来たのッ!!勘違い乙!!!
「ち、違いますッ…!」
圧迫感というか、普通に恐怖で声が震え、涙目になる。お巡りさん、コイツです!!と叫びたいくらいに怖い。…まぁ、叫べるような度胸など生憎持ち合わせてないが。
「…そんな顔をして、オレを誘ってるのか?」
ご都合解釈乙!脳内で涙をブシャー!と撒き散らしながらキバナさまをシバキ倒しているが、現実は圧迫面接も真っ青な圧迫感と威圧感。そして、どうしてこうなった?!という後悔の念だけである。いや、マジでどうしてなの?
――さて、ここで時間を遡って考えてみよう!――いや、現実逃避ではないぞ、断じて!!
私がキバナさまと知り合ったのは、なんてことない、キバナさまがファンとスマホロトムを使ってファンとのツーショを撮っていたのを見たからである。キバナさまへの好感度はビートくんよりは低いが、高身長だし、イケメンだしで好感度は低くはない。というか、ちょっとミーハー心が出てしまったのだろう、と今になって思うが。…そんなわけで、声をかけてしまったのだ。
「あのっ、キバナさま!お写真いいですか??
フライゴンとキバナさまのツーショ!!」
…だって私フライゴン好きだし、自分の自撮りはしない主義なんだもん!
「え?…あぁ、かまわないぜ」
「ありがとうこざいます!!」
目を白黒させているイケメンは大変眼福でございましたが、なんだかんだ言って手持ちのフライゴンを出してくれて…ファンサが凄いと感動したのを覚えている。し、私のフライゴンより少し大きく、キバナさまと一緒に写真に撮られるという事を嬉しく思っているのか、ちょっと自慢げな表情で大変可愛かった。
忙しいであろうキバナさまを長時間拘束するなんて愚の骨頂なので、素早く自分のスマホロトムを起動させる。
「ヘイ、ロトム!
ローアングルからの角度斜めであおってチョット青空映る感じでの撮影お願い!!
あっ、フライゴンくん…もう一歩半ほど左に移動してもらえるかな?…あぁ、ありがとう!!天才!!!
……どう?ロトム、いい感じに撮れた?」
「バッチリ撮れたロト♪」
「OK、ありがとうロトム。
…キバナさま、お写真撮らせて下さってありがとうございました。
それでは、お忙しいでしょうし、失礼します。
あ。この素敵な写真、SNSにUPしてもいいですか?」
「お、おぅ…。構わないぜ」
なーんか、ヤベぇもん見た。みたいな表情で見られた気もするけど、そんなことより…この最高な写真をSNS!に載せねば!ハァー!!バズったらどうしよう!!!と考えながらルンルンと軽い気持ちで借りている家に帰ったのだ。
…ちなみにこの写真、クソほどバズって寿命縮むかと思た。
そして翌日、流石にキバナさまに補足され、キバナさまにRT&♡。さらにバズり…の前に、キバナさまからDMが飛んできた。
――その写真、オレにもくれ――と。
そしてそれを機に、キバナさまとの謎の交流が始まったのである。
まずは、フライゴン好きなのか?――好きです。手持ちにフライゴン♀がいるんですけど、キバナさまの子より小さくて、何より可愛いんです。
そして、今度フライゴンを見せ合わないか?――喜んで!フライゴン達のツーショット撮影させてください!!
それから、○✕日はオフなんだが、ヒマだったらその日に見せ合わないか?――その日なら全然大丈夫です!どこに行けばいいですか?
…といった感じで話は進み、時々会って話したりするようになったのである。が、なんでまた急に!?
もしかして、悪質なファンと勘違いされた???いやいや、それは無い。SNSでキバナさまにフォローされるまで、フォローしてなかった事は知っているはずだ!
――結果:思い返してみてもなんも分からんかった――
なんでなんやー!!と愕然として目をギュッと瞑ると、キバナさまの吐息が顔にかかって…?いや、何故かかる…??
「フリャ!!」
混乱していた最中、いつの間にか飛び出したウチの子フライゴンが鳴き声と同時にドサッという音が聞こえ、感じていた圧迫感と暗さがなくなり…恐る恐る目を開けると、床に尻もちを着いた状態で、心底困ったような表情のキバナさまが私のフライゴンの下敷きになっていた。助かった。まじウチの子、神。
「…あぁぁぁ、フライゴンちゃん!
ありがとう、助かったよ!!
…今日はフライゴンの好きなネギカレーにするね!」
ホッと息を吐きながらそう叫ぶと、べシッとキバナさまを足蹴(正確には尾で払った)にしたフライゴンがフリャ♪と可愛らしく私に抱きついてきた。可愛さ天元突破。
「思わぬ伏兵だぜ…!」
なんかキバナさまが呟いてたけど、私は知らない!