Short Story
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気がついたら赤子から人生やり直していた。
しかもポケモンの世界で、知っている人は知っている。むしろお世話になっていただろう…ジャッジさんに成り代わっていた。
そして、ポケモンを見ただけで個体値や能力を見分けるという特殊能力もゲットし、エリートトレーナーになって、日夜定位置で孵化させたばかりのポケモンを連れてくるトレーナーを待つという簡単な仕事をしている。
…この、バトルサブウェイで。
「ジャッジさん、今日も精が出ますね」
「…あぁ、ノボリさん、これも仕事ですからね。
ノボリさんの方こそお疲れ様です」
毎回通りかかる度に声をかけてくれるノボリさんとクダリさん。
というのも…自分がここに配属することになったのも彼らのせい…げふん、お陰なのです。まぁ、個体値を直ぐ知りたい…とかっていう私情も見え隠れしてたけども。
そんなわけで彼らとは、えっと…1、2、3、4…2年と4ヶ月の付き合いである。
「すみません、このコ見てくれませんか?」
「もちろんですよ。
では、ノボリさん…また」
「そうですね。
あぁ、昨日クダリが一緒にお食事に行きたいと言ってましたので、近いうちにお誘いさせていただくと思います」
「わかりました、楽しみにしてますね」
ペコリと頭を下げて去って行くのを見送って、若いトレーナーに向き直る。
トレーナーは緊張を滲ませながらモンスターボールを取り出して、放り投げると…軽い音とともにコイキングがビチビチと床を跳ねた。
コイキング…たまごグループ、水中2・ドラゴンで孵化が早い。…もしかしてドラゴン系の足がかりにしようとしているのかな?と思いながらも、コイキングをじっくり眺める。
「なるほど…このポケモンは平均以上の能力をもっている、そんなふうにジャッジできますね。
ちなみに一番いい感じなのは攻撃でしょうか。
でも素早さは全然ダメかも…」
「そうですか…ありがとうございます!」
いつの間にか取り出していたメモになにやら書き付けて、そそくさとコイキングを仕舞って走り去っていった。
この感じだと…数分後に彼はまた来るだろう。と息を吐きながら、彼が選別に置いていったモーモーミルクのふたを開けて一気に飲み干した。