世の中って、世知辛い。
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1日休みを頂いたので、のんびりと城下町を楽しんでいると…今まで運が良かったのか、悪かったのか会ったことが無かった島左近らしき人物を目撃した。
目立つ髪色してるから遠くからでも気がついちゃったわけで。
会ったこともないので、ここはスルーだな。と気がつかなかった事にして横を通り抜ける。
「あ、クコちゃんッスよね?」
ガシリと二の腕を掴まれてしまった!
え、何事?と思いながら恐る恐る振り返ると…左近が私を見ていた。
驚いて左近を見返すと、ハッとした表情をしたあと申し訳なさそうに眉を下げながら手を離してくれた。
「あっ、もしかして俺間違えた!?」
「いえ、私はクコですが…どちらさまでしょう?」
暗に、貴方とは会ったことないですよね?という意味も込めているけれど、それが伝わらなかったのか…よかった、間違ったかと思ったッス!とニッコリ笑った。
「三成様付きの女中ッスよね?
俺、一回会って話したかったんスよー」
嬉しそうにヘラヘラ話す左近いわく、どうやら私は噂になっているようで…まぁ、あんな上司にくってかかる女中とか良いネタだとは私も思うけど。…それで気になって様子をうかがっていたが、話しかけるタイミングが無かった。ということらしい。
「あ、よかったらお茶とか一緒にどうッスか?」
ニッコリと裏のない笑顔で笑いかけてくる左近に、暇だし良いか。と頷いて返すと、こっちッス!と私の手を掴んで歩きだした。
嬉しそうに歩いて行く左近の後ろ姿を見ながら、三成とはやっぱり全然違うなぁ。とぼんやり思った。