世の中って、世知辛い。
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自称、佐吉を拾って必死に看病したかいもあって、打身切傷その他諸々がほとんど良くなった。
良くなったのは嬉しいが…警戒心の強い猫なのか、彼と全然会話出来なかった事が唯一の心残りだけど、家へ戻る。と突然言い出して荷物というか、拾った時に来ていた鎧とかを風呂敷に包んで抱えて今にも離れから出ようとしていた。
…その風呂敷は一体どこから持ち出してきたのか、あえて聞かないでおいたけども。
「佐吉さん、もう行かれるんですか?
…お気をつけて」
せっかちさんだなぁ。と心の中で思いつつ、あぁ。と頷いた彼が足早に去って行くのを見送って、もう会うことも無いだろう。と高を括りながら"桜花亭"の前を掃き清める。
どうやら今日はよく晴れそうだ…。
なんて思ったのは5日ほど前の事で…今、何故か店の前に車じゃなくて馬が停まってます。
ちょっと、ここ路駐禁止ですよ!?とボケたことを考えながら、乗り込んできたお偉いさん…豊臣秀吉と竹中半兵衛をおじさんとおばさんが慌てながら対応している。
その2人の後ろに静々と控えていた元凶と思われる佐吉?にコッソリ詰め寄る。
「ねぇ…これって、どういう事態?」
「…半兵衛様のお考えが私ごときに分かるはずがないだろう」
何を馬鹿なことを言っている?とばかりに私を見る彼にイラッとしつつ、そうですか。と返事する。
面倒な事にならないと良いけど。と思いながら、そっと店じゃなく家に引っ込んだけど、すぐにおじさんに呼ばれて店に行くと…豊臣秀吉と竹中半兵衛が私を待ち受けていた。
…ストーリー序盤でうっかりラスボスに遭遇してしまった、そんな気持ちである。
「あの、私に何かご用でしょうか…?」
「あぁ、君が三成君を手当てしてくれた子だね」
そう微笑む半兵衛に寒気を覚えながら、何とか返事した。
それより素直に、三成君って誰ですか?って言うべきだったかな…?