後は野となれ山となれ。
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取り残された部屋で三成から発せられる謎の威圧感で、ジリジリと後ずさる私とジリジリ近寄ってくる三成。
そう広くもない部屋では、あっという間に端に辿り着き…三成に追い込まれてしまった。
来た当初はこんな広い部屋じゃなくても…!なんて思っていたけれど、撤回します。もっと広い部屋がよかったです。
「あの、三成様…?」
これって噂の壁ドンじゃん?と現実逃避をしつつ、三成を見上げると…いつも以上に近い。顔が。
そういえば三成ってばイケメンだったよねー。と顔が赤くなっている理由というか言い訳をつらつらと考えながら、明らかに殺気だった三成の眼を見つめる。
――どこか仄暗い色を漂わせる鈍色の瞳に私が映り込んでいる。
「お前は、どう思っている…!?」
額がつきそうなぐらいの距離で、三成は叫ぶように私に問いかける。
…が、意味が分からないので正直、はぁ?である。
どうやらそう思ったのが表情に出たらしく、三成は眉間に皺を寄せた。
「私は、お前をっ…こ、好ましく思っている!」
「この?…あぁ、ハイ。どうも。」
意を決して何を言うのかと思っていたら、嫌いじゃないぜ!っていうことでしたか。
まぁ、ツンギレな三成さんからしたら、それすら恥ずかしくて言いにくい事かもしれないけど…もっと普通に言ってくれれば良いのに。
「勘違いするな、私はっ…!」
「大丈夫。分かってますよ、三成様。
私も好ましく思ってますから」
思ったより働きやすい環境に感謝してますよ!という気持ちを込めて微笑んでみると、突然機能停止したかのように、えっ。とか、あぁ…。とかを繰り返し、目を白黒させている三成に少しばかりの疑問を感じたけども、好意を受け取り慣れてないからかと、その疑問は解消された。
「あっ、そんな事より三成様…秀吉様の所に向かわれなくてもいいんですか?」
「そんな事…?いや…そう、だな。
早く秀吉様の元に向かわなければ…!」
気を取り戻した?三成が早足で部屋から出る直前、何故か振り返った。
不思議に思って近づくと…
「先程の言、忘れるな」
…と、三成は耳元でそう言った瞬間、私のほっぺにちゅーして部屋から去っていった。
えっ…今の本当に三成さんでしたか??