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擦れ違い

メイ『ごめん迷っちゃってさ』

メイの隣に立っているマネージャーは20才くらいの女の人だった

流行りのナチュラルなメイクにシンプルな服を着ている

名前は倉木舞というらしい

倉木は当たり前のように緩菜の隣に座った

そして、まるで何年も一緒にいた友人のように仲良く二人で喋っていた

(なんか、ムカつく)

倉木『みなさん、注文どうしますか?』

春『俺ビール』

ミズキ『あ、俺も』

メイ『じゃあ俺も』

準々『ジュンチャンも…』

倉木『緩菜もビールでいいよね』

緩菜『うん』

緩菜にだけ呼び捨て&タメ口

なんだかマネージャー以上の関係に見えてモヤッとした

春『アゲハちゃんどうかした?』

アゲハ「ううん、なんでもない」

倉木『えっと…』

倉木はあたしにも聞きたいようだが名前がわからないみたいだ

アゲハ「………」

だが気付かないフリをした

倉木の困ってる様子に気付いた緩菜があたしの名前を教えた

倉木『アゲハ!何注文する?』

’’アゲハ’’

なんでいきなり呼び捨てなのか

あたしは、呼び捨てされるのが嫌い

アゲハ「友達でもないのにあたしのことアゲハって呼び捨てしないで」

睨みを効かせてキツく言うと倉木は困った顔をした

倉木『ご、ごめん…』

あたしにだけタメ口なのも腹が経った

倉木『ど、どうする?』

少し引きつった笑顔で聞かれた

アゲハ「ビール」

倉木『わかった』

倉木『すいませーん!』

店員『はい、ご注文をお伺いします』

倉木『ビールが6杯とウーロン茶で!』

店員『かしこまりました』

春『舞ちゃんって気が利くしいい子だよね』

アゲハ「御手洗いってくる」

春の言葉も無視してトイレに逃げた

トイレの鏡で髪型を直していると倉木が来た

倉木『さっきはごめんね、緩菜が呼び捨てしても大丈夫だって言ったから…』

アゲハ「………………」

倉木『ね、ねぇ?』

アゲハ「あたしにだけタメ口なのも緩菜の言ってたこと?」

倉木『ううん、私アゲハちゃんと仲良くなりたかったから』

アゲハ「仲良く?」

倉木『うん!』

倉木はにっこりと笑った

アゲハ「あたしアンタとは仲良くしたくない、必要以上に近寄らないで」

倉木『……ご、ごめんなさい…』

倉木は泣きながら戻っていった

あたしはトイレの前の椅子に座って煙草を吸ってから戻った

戻ると倉木がさっきより緩菜とべったりしていた

他のメンバーも倉木を褒めている

春『アゲハちゃんおかえり!』

あたしが帰ってきた事に春だけが気付いてくれた

アゲハ「ただいま春」

春『ビールも来てるよ!一緒にのもう!』

アゲハ「春だけだよ、あたしに優しいの」

春『えっ、そんなことないと思うけど…』

アゲハ「だってあたしが帰ってきた事に気付いてくれたの春だけだよ?みんな倉木にべったりしてさ…」

春『アゲハちゃん…よしよし』

春は優しく頭を撫でてくれた

アゲハ「春ぅ…大好き……」

春『俺もアゲハちゃんの事大好き!』

緩菜『ねぇ』

アゲハ&春『「えっ?』」

もしかして、嫉妬?と思ったが現実は違った
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