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擦れ違い

緩菜『アゲハ、はやくおいで』

私の彼氏はバンドマン

今日は緩菜のバンドに新しくマネージャーが入ったから懇親会を開くらしい

そして、なぜかあたしも行くことになった

アゲハ「ちょっと待ってよ、もうちょっとだから」

緩菜『何そんなオシャレしてんの?』

緩菜はあたしの全身を見て言った

アゲハ「しっかりキメとかないと落ち着かないの」

緩菜『どうせメンバーとマネージャーしかいないんだしいいじゃん』

アゲハ「よくない」

緩菜は感情を表に出さないタイプで、感情の意思疎通が難しい

出会ったばかりの頃はそれで不安になってたけど今はしっかり意思疎通ができるようになった

緩菜『もう充分可愛いんだから行こ、そろそろ行かないと遅れちゃう』

アゲハ「はいはい」

’’可愛い’’

この言葉ほど嬉しいものはない

(緩菜ってば///)

照れ隠しにめんどくさそうに「はいはい」と言ったがニヤけすぎて隠せてる自信がない

緩菜『忘れ物無い?』

アゲハ「ないよ」

緩菜『じゃあ行こうか』

アゲハ「ねぇ緩菜、ホントにあたしも行っていいのかな」

緩菜『いいに決まってんじゃん、なんでダメなの?』

アゲハ「だってあたし他人じゃん」

緩菜『そんなことないよ、ほら行こう』

差し出された手を握った

緩菜は、あたしの事ちゃんと考えてくれてる

あたしも、緩菜の事考えてる

きっと緩菜の事は私が1番わかるはずだから

ちらりと横顔を見た

綺麗な明るい茶色の髪が風に靡く

ぱっちりとした眼が可愛らしい

ほんのりピンクの唇もすごく可愛い

光に反射して煌めくネックレスと指輪はお揃い

緩菜『何?』

どうやら目線に気付いたようであたしを見つめる

アゲハ「なんでもないw」

あたしと緩菜は手を繋いでメンバーたちのいる居酒屋へ行った

春『あっ!こっちこっち!』

店につくとすぐに春が手招きをしてくれた

春『アゲハちゃんは俺の隣ね!』

当然のようにあたしを隣に座らせる

緩菜は向かいの斜め左に座った

メンバーの前ではあまりいちゃいちゃしてくれない

だから春といちゃつく

アゲハ「春可愛いー!」

春『アゲハちゃんも可愛いー!その服新しくない?』

アゲハ「そうなの!前から欲しくて買っちゃった!」

春『似合ってるよ!可愛い!』

アゲハ「ありがとう!」

ちらっと横目で緩菜を見た

なにかを探しているのかそわそわしている

アゲハ「ほら貸したげる」

ササッと鞄から蝶の柄のライターを出して手渡す

緩菜『ありがとう』

春「アゲハちゃんって緩菜の欲しい物すぐわかってすごいね」

アゲハ「え、そんなことないよ~//」

春『俺たちだってわかんないのに』

アゲハ「見てたらわかるよ!」

準々『理想の二人ってカンジ…』

隣で準々が呟いた

アゲハ「ありがとジュンチャン!」

ぎゅっと抱き締めた

準々『ふ、ふふ…‥///』

春『ジュンチャンだけずるい俺も~~』

アゲハ「はいはいw」

春も同じくらい抱き締めた

緩菜は何も言わない

ミズキ『あと5分くらいで来るって』

どんな人なのだろう

イケメンだったら嬉しいかもしれない

春と喋りながら待った
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