テゾーロ様の日常☆

…ザワザワ…♪

客「…おお、テゾーロ様がお越しになるなんて……!」
女の客「///まぁ…素敵…!♡」ポ♪

テゾーロ「やぁ!御機嫌よう、皆様…お楽しみ頂いてますか?
ご要望がございましたら、このバカラに何なりと申し付け下さいね☆」ニッコリ♪


コンシェルジュのバカラに伴われ、大勢の客の前に現れたテゾーロ。サングラスを額に上げ、澄んだアイスブルーの瞳でフロアを見渡した。
こうしてごくたまに、気紛れの様に現れたテゾーロの姿を見た者達は、その僥倖に思わず驚きざわめく。

…ここは、ハイクラスと言われるグラン・テゾーロのカジノの中でも、更に限られた上客…所謂超セレブしか立ち入りを許可されていない特別なV.I.P.エリア。平均的な一般市民数十年分の年収額なぞ簡単に消えてゆく。
新世界の名だたる海賊、貴族や大富豪は勿論、政府や海軍関係らしき人物までチラホラと…

テゾーロはV.I.P.客達の中で立ち止まる事無く、笑顔でさらりと挨拶を交わしながら更にカジノ奥の部屋へと消えてゆく。その場所は……

………………………………

テゾーロ「(……)…チャルロス聖様、テゾーロでございます☆本日はお楽しみ頂けましたでしょうか…?☆」

チャルロス「Σおお~!来たかえ、テゾーロ!
おい!ここのカジノはどうなったおるんだえ?スロットをしていたら、あっという間にわちきのコインが無くなってしまったんだえ~!一体どういう事なんだえッ!?」バクバク…!

テーブルの上の豪華な料理を下品に喰い散らかしながら、まるで豚の様に喚いてテゾーロに当たり散らす天竜人。
その背後には、今にも倒れそうな顔色の奴隷達が、ものも言わず怯えながら立ち尽くしている…

テゾーロは、そんな悲惨な奴隷達の姿をなるべく目に入れないように、心から驚いたというわざとらしいリアクションでこう返した。


テゾーロ「…Σιええっ!?まさかそんな!…信じられない…!☆
チャルロス聖様程の強運をお持ちの方がでございますかッ!?☆」バ
チャルロス「…Σ!?…ιブェっ…!?」…カラン…

テゾーロ「ιもう一度…!もう一度チャレンジされてはいかがでしょうか…?この私…チャルロス聖様の強運を信じております…!☆」ズイ
チャルロス「…!…ι///そ…そうかえ?…よし…!
そんなにまでテゾーロが言うのならもう一度…!」

チャルロスの目の前まで乗り出し訴えるテゾーロ。
その端正な顔が目の前に…
思わず見惚れて、咥えていたスプーンが口から落ちた。

テゾーロ「流石でございます、チャルロス聖様!☆♪ならばすぐに参りましょう…さぁさぁ…!☆♪」…チラ

バカラ「(………)」コクン

陰に隠れていたバカラにそっと目配せしたテゾーロ。
気が済む迄細工を施したスロット台を宛がう事にしよう。そんな物で機嫌が直るなら安いものだ…

…天竜人は我が儘で傲慢で、気に入らない事が起こると周りに当たり散らす。だからといって諫める事も出来ない。

天竜人の気分を害すれば簡単に首が飛ぶ。
誰もが知ってる常識だ…


テゾーロ「(やれやれ…今夜は長くなりそうだな☆)」ハァ



4/6ページ
スキ