テゾーロ様の日常☆

…タリラリラ~♪…ラリラ~♪♪……

どこからともなく優しい弦楽四重奏の音色が流れてくる。

今の時刻は、朝の10時…


島と見まごう程の超豪華巨大双胴カジノ船、グラン・テゾーロ号。
その推進力は、これまた島と見まごう程の巨大な海亀、ギガントタートル2頭。…素朴な疑問ですが、先ずはどうやって捕まえたんでしょうね?


とにかくここは、カジノ、遊園地、劇場…全ての娯楽を凝縮した世界屈指のエンターテイメント・シティ。新世界の海に堂々と君臨する黄金の不夜城…

朝日を受けてその船体は更に燦然と輝いている。

さて、そのカジノ船の最深部では……



タリラリ~…タリラリラ~♪♪……

ペモペモ…
エゾホル「…テゾーロ様、もうとっくに朝モキャよ~?いい加減起きねぇと~☆ι」


厳かな音楽はまだ流れ続けている。

その内、変な足音を立てて1頭のレッサーパンダが寝室に入ってきた。立って歩いて言葉も喋る動物とは…


テゾーロ「ι…んんんんん~…☆」ゴソモソ…


天蓋付きの大きなベッドの中央部には、何やらこんもりと盛り上がった布団の塊が…その塊の中からは、ダルそうな呻き声。

この広々とした寝室を彩っているのは、人間国宝職人が数年掛かりで手掛けた家具。世界遺産級の彫刻や絵画…これらは最早お値段すら不明。


テゾーロ「う~ん…あと5分…いや、5時間…☆」モソ…

エゾホル「ι何で時間が伸びてんの!
いいから起きなさいっつぅの!寝汚い!☆」ユサユサ!
テゾーロ「……ιやめてぇ~…」…ウウ…ι


エゾホル「イラ…あ~そうですか。分かったモキャよ☆
それではここでウ●コさせてもらうモキャ☆」ス…
テゾーロ「ΣιⅢやめてよーッッ!!☆」ガバァ!


布団を捲り、大慌てで身構えたエゾホルを制止する。
このカジノ船の主、ギルド・テゾーロがようやく起床した…髪は乱れ、目はショボショボ、口元にはヨダレの跡が…

エゾホル「はい、おはようございますテゾーロさま☆ではご飯前にさっさと顔洗ってきてくださいな~☆…トイレで寝ちゃダメモキャよ?☆
…ミュージックオフ!カーテンオープン!☆」パチン☆


♪タリラリラ~……ピタ…………ウィーン……

テゾーロ「ιんも~……Σッ…ιぶへっくしょ!☆」ハァ…


エゾホルの合図と共に、流れていた目覚まし代わりの音楽は止み、寝室のカーテンも一気に引かれた。
部屋に射し込む日の光…
その光に目が眩み、思わず大きなくしゃみが出た黄金帝。


テゾーロ「……ιエゾホルはタナカさんより容赦ない~☆…」ズル……フラリ…

渋々ベッドからずり落ちる様に下りた。



…さぁ、1日が始まる…☆

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