鰐の話

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ペローナ「∑ιえっ…?そ、それって……」
ブラックサンダー『…ミャーン…?』ツンツン


ミホーク「何度も言わんぞ。
…これから海軍が攻めてくる。必要な物を纏めてこの島から出ろ。」


猫じゃらしで楽しく遊んでいたペローナの手が止まった。もっと遊べというように、前足で猫じゃらしをつついてねだるブラックサンダー。
ミホークはいつもの様に大きな椅子に座り、新聞を拡げている。


ミホ「…海軍は七武海の制度を撤廃した。
俺も『今日から』は単なる海の屑共の一人…いつどこから刺客がやって来るやも知れん……」パラリ

ペロ「ι今日からって、そんな…!
∑ι!…って事は、モリア様もなのか!?」

ミホ「…『元』だが、そうかもしれんな。
あいつは今行方不明という事になっているが、お前は大体の居場所の検討は付いているのだろう?
…そこに身を寄せろ。きっと仲間も居る筈だ。」

ペロ「ι〜!…何なんだよっ!…可愛くねぇ海軍共め…!あれだけ良い様にこき使っておいて、今更何なんだよ〜っ!」ギリ


悔しそうに歯を食い縛り海軍に怒るペローナ。


ミホ「(……)…いずれこうなる事は予想していたがな。
…さぁ、早く島を出ろ。小さいが船も用意してある……」

ペロ「∑ιえ!?…いつの間に…
………ιそれより…ブラックサンダーはどうするんだ…?…」


ミホ「…お前が連れてゆけ。
ブラックサンダーはお前によく懐いている……それに、俺にはこれから海軍が付き纏うから危険だ。」


ペロ「ι!…いいのか?」

ミホ「無論…これで煩わしさも無くなるな。」…スタスタ


そう言ってミホークは不意に席を立ちどこかへ行ってしまった。


…嘘だ……何が煩わしいだよ…ι

ブラックサンダーだって鷹の目が大好きなんだ。
鷹の目は好きなオヤツの種類も知ってるし、猫じゃらしで遊んでやるのも得意だし。
膝にブラックサンダーを乗せてうたた寝してる事もあったし、窓辺で一緒に外の景色を見ながら何かお話してた事もあったし……

とにかく、ブラックサンダーと一緒に居る時の鷹の目はとても穏やかだと感じた。…それがまさかこんな形で離れ離れになるだなんて…ι

……………………………

ザザーン…

ブラックサンダー『…ιミャアォ〜??』カリカリ…
ペロ「ιよしよし、怖くないぞ?…大丈夫だからなっ?
私が絶対お前を守ってやる…!鷹の目だって、お前の為に安全な海路のログポースをくれたんだぞ…?
…新しいアジトも…きっと良い所だから…ι」グスッ…ι

海風に吹かれながら猫のケージを抱えるペローナ。慣れ親しんだシッケアールはどんどん背後に遠ざかってゆく。溢れる涙は中々止められない…


ペロ「∑ιうえーん!…折角可愛いブラックサンダーと楽しい呪いの城ライフを満喫してたのにーっ!
…ιグスッ…鷹の目……ホントに大丈夫かなぁ……」グス…ι

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……………

ガサ…
ミホ「………こんなものだな…」

誰も居なくなった古城。島を取り囲む海軍の気配を感じながらミホークも身支度を整えている。
…身支度といっても、少しの着替え、読みかけていた本、お気に入りワイン…それらを適当な袋に突っ込み、あとは大剣『夜』を背負えばもう出来上がり。


ミホ「……」

ふと城の中を見回した。
流れ付いたこのシッケアール・クライガナ…
荒地を耕し畑を作ったり、いつの間にか賑やかな住人が増えたりと、短い間だったがここでの住み心地は中々悪くはなかった。


ミホ「(ペローナ達もそろそろ危険な海域を抜けた頃か…)」

城の中には、ブラックサンダーの使っていた大きなキャットタワーが残っていた。
あまり時間が無かったので、必要最低限のものしか持たせてやれなかったが…


ミホ「…新しいアジトは楽しい所だと良いな…」フッ

…さて、俺はどこへ行こうか?穏やかで静かな島があれば良いのだが……その時。


電伝虫『…ぷるぷるぷる…ぷるぷるぷる…♪』

…ガチャ☆
ミホ「………もしもし…」


鰐『…よう……俺だ、鷹の目♪
…お前もどうせ海軍に狙われてるんじゃねぇかと思ってな…?…』クハハ♪

ミホ「(…!)」

ミホークを新天地へと誘う電話だった。
その時ミホークの脳裏に、ブラックサンダーの柔らかな黒い被毛とクロコダイルの艷やかな黒髪が重なりよぎった…


鰐『……俺と一緒に来い鷹の目…海へ出るぞ…』
ミホ「(……)……分かった…」


…これも何かの導き…縁なのだろう。
城の外にはもう鬱陶しい海兵達がどんどん押し寄せてくる気配がする。ここに居ても煩わしいだけだ…

俺にはもう『守るもの』は無い。
ミホークはそう覚悟を決めると静かに城を後にした。

願わくば、穏やかで静かな暮らしが待っていると願って…

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………………


バギー「…ιⅢひぃぃん…たずげでぇ…!…」ヒクヒク…ι

ミホ「静けさとは無縁の所だったな……」ポツリ
鰐「…んぁ?何か言ったか…?」

ミホ「(……)…別に……」…∑ズバッ!
バギー「∑ιⅢぎゃひーっ!?」バラァ…


…またあの静かな島へ戻りたい。
気ままに晴耕雨読、可愛い猫を愛でる様な静かな生活がしたい…

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ペロ「…おーい、ブラックサンダー!ごはんだぞ〜?♪」

ブラックサンダー『∑みゃあーん♪』



おしまい☆
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