鰐の話

…………………………………………

クロコダイル達が海に出て数ヶ月後……



…∑ウォォォォ!!…

海賊達「「∑///うぉぉぉ!キャプテン・バギーっ!!♪」」

バギー「…∑良いかぁ、俺達ぁ泣く子も黙る海兵狩りのクロスギルドだぁ!
テメェら!…今日もオレ様の為にド派手に暴れてきやがれぇ〜ッ!!♪」ドーン!!

ワァァァァ!!♪…バギー!バギー!…


鰐「(………)」スン
ミホーク「(………)」スン

轟響く粗野で野太い歓声…
派手派手しい海賊船の上で、手下に向かって大見得を切って煽るクロスギルドの『キャプテン』バギー…
その両脇には、無表情で葉巻を吹かす『幹部』クロコダイルと、帽子のブリムで表情の見えない『幹部』鷹の目ミホークの姿が。

……………………………
……………

∑∑ドカバキボコォ!!…

バギー「∑ιⅢぎゃあ゛〜ッ!ご、ごべんなざいぃ〜ッ!ιお願い〜ッ…殺さないでェェ〜っ!!」ゴロゴロ…

鰐「#何なんだ、この数字は!使えねぇカスが……!
…今度は指から1本ずつロッサの餌にしてやるからな…!…」ギロ

手下達の前では偉そうにしているバギー…しかし、一旦奥へ戻ると力関係は完全に逆転し、まるでサンドバックの様な扱い。そして……

スッ…
ミホ「………」∑∑ズパン!!
バギー「∑ιⅢヒィィィ〜ッ!?」バラァ…

ミホ「…#貴様……
用意しておけと言ったワインはどうした…?」ギロ

バギー「∑ιⅢ勿論発注はしてますぅッ!…
今…今この島に向かっている最中でして〜ッ!!…」アワアワι
ミホ「…#今日中に来ない時は覇気を込めて貴様の首を斬るからな…」ギラリ…!
バギー「∑Ⅲ嫌ァァァ!お許しを〜ッ!!」ギャー!Ⅲ


全身バラバラで床に転がり惨めに泣き叫ぶバギー。
ストレス発散のオモチャの様に、バギーは2人から殴る蹴る、たたっ斬られるとされるがまま…


ダズ「(………ι)」フゥ…

そんな様子を見て、テントの陰で溜息を付くダズ。
表には荒くれ海賊が多数犇めき、幹部達のテントに戻っても結局この騒々しさ…静けさと安らぎとは無縁のカライバリ島。
クロスギルドを結成してからというもの、クロコダイルとミホークはいつもイライラしていて、穏やかな表情をしているところをほぼ見なくなった気がする。その時…


バサッ…
鰐「……#ちっ…!…」

ダズ「!ボス、どちらへ…?」
鰐「…ロッサの所だ。」スタスタ…

ダズ「(……)…ιいってらっしゃいませ…」


舌打ちをし、振り返りもせずさっさと行ってしまったクロコダイル。相当イライラしている…
こうして理不尽な事やストレスが溜まった時は、よくバナナワニのロッサと触れ合っている様だ。
このカライバリ島はかなり温暖な気候。あちこち大きな沼も点在していて、餌となる魚も生息している。バナナワニが暮らすには良い環境らしい…が、まさかそんなにまでして本当に温室からロッサを連れてくるとは思わなかった。クロコダイルにとって癒しを与えてくれる大事なペットなのだろう…

では、今のミホークにとって癒しとは…??


ダズ「…!」ピク

バタバタ…!
手下「∑ダズさ〜んッ!
今ミホーク様宛に封書が届いたんですけど、差出人の名前が無くて…!」

ダズ「…ああ、今………」

∑ザッ…!
ミホ「…さっさとそれを寄越せ…!」バ

ダズ「ι!」
手下「ιⅢひぃ!?」

取り次ぐ前に、ひったくる様に厚みのある封書を奪い取るミホーク。そして……


ミホ「(……)……ダズ……
これは、お前にとっても『縁のある』大切な便りだ……共に見よう。」

ダズ「(……!)……分かった。」


手下「…??…ιえっと…それ誰からなんですか?…
ほら、怪しいものとか入ってたら危ないし、一応調べないと…ι」オド

ミホ「無用だ……貴様はさっさと下がらんか…」ギロォ
手下「∑ιⅢ!…はいぃッ!スイマセン!!」ビュン!


ダズ「…行ったぞ。」
ミホ「………全く…
おちおち手紙の開封も出来ん環境とは厄介だな……」ピッ

胸に下げた十字架の小さな剣で封を切る。
ずっしりと分厚い封筒の中からは、沢山の写真の束が出てきた。

同封されていた小さなメモにはこう記してある…『今月のブラックサンダーの写真だぞ♪』


ミホ「(…♪)…ほう?また一段と大きくなった様だな。」ジ
ダズ「♪…毛艶も良い…餌もしっかり食べている証拠だ…」パラリ…

写真には、あのブラックサンダーの姿があった。
小さかった子猫はすくすくと育ち、とても大きく丸々とした黒猫へと成長した…一緒に写るペローナも抱っこが重くて大変そうに見えるが、とても幸せそうな笑顔だ。
オヤツを食べる姿、昼寝をする姿…日常を穏やかに暮らすブラックサンダーの姿を収めた大量の写真…
2人はそんな写真の数々をいそいそと眺める。


ミホ「(………)」ジ
ダズ「?…何かおかしな所でも?」

ミホ「ふむ……
…この姿は何やらクロコダイルに似ていると思わんか?♪」パラリ

ダズ「!♪……これは…!…確かに…ι」


それは、高い棚の上からこちらを見下ろしているブラックサンダーの写真だった。キトゥンブルーだった瞳は、成長するにつれ美しい金色へと変わった。

確かに、まるでクロコダイルがゴミ共を睥睨へいげいしている傲慢な姿に見える…

艶々としたブラックサンダーの黒い毛は、クロコダイルがいつも身に着けている毛皮のコートにも、その艷やかな髪にも似ていた。そして同じく金色の瞳…


ミホ「もしクロコダイルに言ったら憤慨するだろうか…♪」
ダズ「…ああ、黙っておいた方が良さそうだ…♪」


ヌ…
鰐「……俺が…何だって??」

ダズ「!…ιボス…」
ミホ「おや、もう戻ったか。
…いや、この姿はお前に似ていると思ってな?♪」ピラ
ダズ「ιあ……」

鰐「…んぁ??……どれ……(……ジ)……
………∑クハハハハハっ!…違いねぇ…!♪」クハハハ♪…

ダズ「!ι」
ミホ「だろう?♪」ニヤリ♪


大声でクロコダイルが笑った…
久しぶりにこんなに朗らかに(?)笑う姿を見たかもしれない。

鰐「…で?…他にはどんな写真があるんだ?♪」ズイ
ミホ「待て待て…写真の量が多いのだ、そう急かすな…!」

ダズ「ではお茶等淹れますので、あちらの部屋でゆっくり御覧になりませんか?」


鰐「クハ…気が利くな、良い子だダズ…♪」

ダズ「(…///!)……はい、ありがとうございます…」

ミホ「ダズ、今日の茶請けはレアチーズケーキだったな。フランボワーズソースも有れば尚良し…!」ドン

ダズ「ιちゃんと用意しているから…」


…ダズが料理だけではなく菓子作りも出来ると知ってから、ミホークからのリクエストも増えた気がする。
いつも賑やかで嵐の中に居る様なクロスギルドだが、月に一度ブラックサンダーの写真が届くこの日だけは、3人にとってとても穏やかな時間が流れるのだった…

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