鰐の話

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ダズ「(………)」ザッザッ…


子猫が屋敷から去ってから数ヶ月後……

時折吹き込む海風にも、少し春の気配を感じる。
朝早くから庭に出て、手際良く落ち葉の掃き掃除をするダズが居た。
それが終われば、今日はあの物置き小屋の壁の修理をしよう。もう野良猫が入り込めない様に…
そこの修理が終われば、今日は温室周りのブロックの整備と門扉のペンキ塗りでもするとしよう。

ダズはいつもと変わらず無表情だが、その背には何処となく暗さが漂っていた。

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鰐「……ハ♪…随分きな臭くなってきやがった…」

読んでいた新聞をデスクにばさりと投げた。
然程広くはない書斎の天井に向かって、葉巻の煙がゆらりと立ち昇る。
新聞一面には『遂に七武海制度撤廃か?◯日に海軍本部にて協議始まる!』…と大きな文字が躍っていた…

…そんなもんで世界に平和が来たら苦労は無ぇな。
強ぇ奴らを潰したって、世界中の三下海賊共が、次は俺達とばかりに暴れ始めるだけさ…♪


鰐「(それに……)」ギシッ…

撤廃された所で『あいつ等』が、簡単にはいそうですか、と大人しく投降するタマかよ。

それにしても海軍あいつら、手前勝手に都合よく使っておいて、用が無くなりゃ罪人扱いか…腐った海賊より良い根性してやがるぜ…♪


鰐「クハ♪……ま、人の事は言えねぇか……」プカァ

椅子の背もたれに身を預け、悪どく嗤いながら葉巻の煙を吐き出す…

そもそも、七武海の根幹を揺るがしたのは、クロコダイル当人が起こした大事件が先ず発端だ。
色々あって壮大な計画が破れ、インペルダウンに投獄され、そして脱獄…頂上戦争にまで巻き込まれ…


鰐「(……あの頂上戦争から2年…そろそろ頃合いだな…)」

クロコダイルは、2年の間ゆっくり隠遁生活をしていただけではない。
インペルダウンで脱獄した凶悪海賊達の間に大金を貸したり武器を流したりと、着々と準備を進めていた。その海賊達は、クロコダイルのお陰で十分に力を取り戻した筈だ…

鰐「色々『返して』貰わねぇとなァ…♪」ニヤリ…


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ダズ「…ι海に…出るんですか?」カチャン…

鰐「……ああ、来月港に船が来る。ようやくこの島ともおさらばだな…」


夕食時に不意にそんな話をされた。

…ああ、遂に……

この小さな島の暮らしは、中々悪く無かった。
主の為に淡々と基本的な生活を送り、淡々と仕事をこなし…
殺しも争いも無い地味な生活だが、クロコダイルとのこの静かな日々が、ダズにとって初めての『安らぎ』だったのかもしれない…


鰐「(…♪)……ダズ…今夜部屋に来い…」…ペロ…♪

ダズ「!……///ιはい…」ゴクリ…ι


クロコダイルの機嫌は良さそうだ。
ローストビーフを頬張った後、唇に残ったグレイビーソースをわざとらしくゆっくりと舐め取る。
ダズを見詰める爬虫類の様な瞳…見せ付ける様な舌の動き…


これは、かなり濃厚な夜になりそうだ……



次回エロだよ☆
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