鰐の話

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…ジャー…カチャカチャ……


鰐「……ふぅ…」バサッ…

キッチンの洗い物の音を聴きながら、リビングのソファで新聞を拡げたクロコダイル。
暖炉には薪が赤々と燃え、リビング内はとても暖かな空気に満ちている。冬の一時、とても快適な空間…とは言えない。


鰐「(……)……ι#チッ……場所を食い過ぎなんだよ…」イラ

やはりチラチラと視界に入ってくるものが気になる…紙面の内容が中々入ってこない。
今このリビング内は、ダズが張り切って造った子猫のアスレチックスペースが大半を占めていて、かなり圧迫感を感じる…
…まぁ子猫が居なくなる迄あと数日の辛抱なのだが。


鰐「(…ι大体こんな小せぇ子猫、歩き回った所でたかが知れてるだろうが…)」ス…


子猫『…プスス。。。』←寝

鰐「(……)…フン…呑気な顔して寝てんじゃねぇよ…」ヒョイ
子猫『!?……∑ιピャアー』

鰐「うるせぇ。静かにしろ…」ポス
子猫『…ピャー?…』

急に首根っこを掴まれたせいで起きてしまった子猫。
クロコダイルはそれにも構わず、膝の上に乗せてしげしげと観察し始めた…


子猫『…ピャアー…』モソ
鰐「クハハ…全身真っ黒か。
…暖炉の消し炭みてぇだな…♪」ソ…

寝ぼけて膝の上を這い回る子猫…
体格の大きなクロコダイルと対比すると、猫というより虫っぽい大きさにしか見えない。
だが、酷い口調の割に子猫を触るクロコダイルの手つきは存外優しい…

子猫『ピャー♪』ヨジヨジ…
鰐「?…おいおい…どこ登ってやがる?」

すっかり目が覚めたのか、元気に動き始める子猫。
クロコダイルの上半身をよじ登ってゆく…上等なスーツに爪を立てながら…


鰐「…おら、大人しくしやがれ…」ヒョイ
子猫『∑ピャアー』ジタバタ
鰐「クハ♪…虫みてえに動きやがる…♪」ソ…

爪を傷めないようにそっと優しく剥がしてやる。
その時、子猫とかちりと目が合った…


子猫『ピャアー…』ジタバタ
鰐「??…青いんだな」ジ

子猫独特の美しいキトンブルーの目。
だが、成長するにつれその色は変わるという…
この子猫は、どんな目の色の猫に成長してゆくのだろうか。


鰐「(………あったけぇ……)」モソ…

暖炉の暖かさ、小さな子猫の温もり。
そして、食後すぐというこの時間帯は、クロコダイルから思考力を徐々に奪っていった…

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…………………

ダズ「…ボス…お茶を……∑ι!」ハッ


鰐「………」スゥ…
子猫『…プスス。。。』

ダズ「(…ι///一緒に寝てるッ…?)」ιハワワ…


ソファに身を預け、うたた寝をするクロコダイル。
そして何故か子猫まで、クロコダイルの腕の中で安心しきって寝ているではないか。

なんと珍しい…!
ダズは戸惑いながらも、暫くの間この平和な光景を目に焼き付けていた。

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