黄金と豹

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ワイワイ…♪

ここは新世界某所、美肌の湯が豊富に湧く事で有名なボルケ島。
島内は、散策する大勢の観光客で賑わっている。

おもむきのある宿屋や土産店が立ち並び、島内のあちこちから、ほんのりイオウの香り漂う湯気がもくもくと立ち上っている。

そして、そのボルケ島のすぐ近くに停泊しているのは、島に負けない程大きくきらびやかなグラン・テゾーロ号…

何と今、島とグラン・テゾーロ号の間には、互いを繋ぐ巨大な桟橋が設けられている。
テゾーロが、数日間だけ島と船の間を自由に行き来出来る許可を出したのだ。しかも今回は、身分証明等の面倒な入国手続きも一切無しで、あの世界的に有名な娯楽の殿堂、グラン・テゾーロに自由に遊びに行ける…!


こうして、船の乗組員達はボルケ島の良質な温泉保養や息抜きの観光へ。
島の住人達も、遠出をすることなくグラン・テゾーロで、最新アミューズメントや流行はやりの最先端のショッピングを楽しみに行ける。
しかも、双方に訪れていた観光客も、島と船を行き来して楽しめる範囲も広がり、これは三方良し…♪

…だが、そんな楽しそうな気配に水を差す様に、ボルケ島とグラン・テゾーロ号との間には、世界政府の旗を掲げた艦船が一隻、威圧感を放つ様に停泊していた…

………………………

テゾーロ「?…うーん、あれはどう見ても諜報機関の船だったよなぁ☆ι
…私何か悪いコトしたっけ??☆」

エゾホル「人気者はツラいモキャね~☆
…はい、お茶どうぞ~?☆」コト…


スモーカー「(……)…『俺』と『テゾーロ』が一緒に居る事自体が疑われる原因だろうな。
…だから言ったろ?」…ズズ…

テゾ「ι私はただGー5の皆さんにこの間の講習会のお礼と、うちの従業員達の休養になれば丁度良いと思って…島の皆さんだって歓迎してくれてるのに~ι…
…あ、このお菓子美味しい~☆♪」モグモグ♪

スモ「…俺達はあくまで『護衛』の立場のつもりだがな…ι
だが、あいつらがそれを簡単に信用するかよ。きっと何か裏があるとでも思ってんだろ…」ハァ

…浴衣姿で寛ぐテゾーロとスモーカー。
ワノ国風の宿屋の一室で、茶を傾け菓子をつつきながら、まったりしていた。


テゾ「どれ位のレベルの諜報員が来てるんだろうな☆…エゾホル、ちょっと様子を探ってきてくれる?☆」
エゾホル「了解モキャ~☆」ピョーン!

エゾホルは窓から側の松の木に飛び移ると、器用に枝を伝いながら、素早く林の中に消えていった。


スモ「ιあいつ一匹で大丈夫なのか?」
テゾ「大丈夫だよ☆
エゾホルは、ああ見えて隠密行動とかが得意なんだ…それに、見たまんま動物だから油断を誘いやすいしね…結構重宝させて貰ってるよ☆♪」

スモ「(……ι)」スン

隠密行動…ι
やっぱり疑われて然るべきなのでは…

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…………………

スパンダム「やっと到着しましたね~♪お疲れ様ですダンナ~!♪
…はぁ、でも大した事ないチンケな観光地ですなァ…」キョロキョロ

ルッチ「………」ス…


艦船から真っ先に降りてきた喧しいスパンダム。ルッチは無言でその後から降りてきた。


エゾホル「(…お、居た居た……
!?…ιってか、あの格好…CPー0モキャ…!☆ι何かヤバいな…早くテゾーロさまに報せなきゃ……)」モソ…



ルッチ「(……)……近くに『ゴミ』が居るようだな…」ヒョイ
スパ「へ??ι…ダンナ…何を…」

ルッチは足元に落ちていた石ころを拾い上げる。そして…


Σ…ビュッ…!…

ΣΣガンッッ!!…
エゾホル「Σιギャイーンッ…!!?」…ボテッ!…

投げられた石は見事にクリーンヒット。
…目を回したエゾホルは、敢えなく木の上から転げ落ちてしまった…


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