黄金と豹
グラン・テゾーロ号の最奥にある、広々としていて豪華な調度品に囲まれた執務室。
テゾーロが書類に目を通している。
いつもはどこか憂鬱そうに書類仕事をしているのだが、今日は非常に機嫌が良さそうだ。鼻歌混じりで、口許には笑みさえ浮かべて…
テゾーロ「(…♪)…///」ニコ…♪
エゾホル「??…ιえ?何?…
笑顔キメぇよ?テゾーロさま…今度の温泉リゾート島がそんな楽しみモキャ?そんな似たようなリゾートなんていっつも行ってるでしょうに☆」(・ω・`;)ナシテ??
テゾ「Σι私のスマイルを気持ち悪いって何ッ?!☆…ιゴホン…
ふふん!何と今回は、海軍基地Gー5の皆さんに護衛同行をお願いしてるんだ~☆♪」
エゾホル「(……)あー…つまり『あの』スモやんね~☆…はいはい…そら良かったモキャね~?☆」フ♪…←笑顔
テゾ「ι!?な、何…!☆」
エゾホル「…どうせあれだべ~?☆
『2人きりの温泉でしっぽり♪ギュッとお互い距離縮まって…グェヘへヘ~☆♪』とでも思ってるんだべ…?☆」ヤレヤレ…
テゾ「Σ///ι私そんな下品な笑い方しないもん!スモーカー中将と純粋に温泉を楽しんでくるだけだもん!☆ι」キー!
エゾホル「へェ~?温泉『だけ』~?☆♪」
テゾ「ιお…温泉だけじゃないよ!ボルケ島には綺麗な景勝地だってたくさんあるんだし!☆」
エゾホル「景色で腹は膨れませんて。やっぱ大事なのは酒とメシっしょ~☆
…あ、その島に競馬場とかは無いんスか?☆」(´ω`)ワクワク♪
テゾ「ιエゾホルってそんなのばっか…☆」ハァ…
ペットと飼い主の馬鹿馬鹿しいやり取り。
だがこの時、窓一枚を隔てたベランダの外には、1羽の白い鳩が佇んでいた。室内の2人は気付いていない。そして、会話が一通り終わったところで、その鳩はどこかへと飛び去っていった。
首から小さな電伝虫をぶら下げて…
バサッ…
ハットリ『…クルッポー!』パタパタッ…!
……………………………………
…………………
ルッチ「(………よくやったハットリ……ふむ、ボルケ島か…)」ニヤリ…♪
テーブルの上には盗聴用の黒電伝虫…
イヤホンを外したルッチは、不適な笑みを浮かべる。
電伝虫から傍受が出来ないなら、直接音声を拾いに行けば良い。
だが、直接諜報員を潜り込ませると、テゾーロの能力で感付かれる危険性がある。そこで…
どうやら、CPー0にとっては鳩すらも立派な諜報要員らしい。ハットリに黒電伝虫を持たせて単身グラン・テゾーロに向かわせるとは…
つまりテゾーロは、ボルケ島で海軍Gー5の面々を接待漬けにして、何らかの情報や利益を得ようとしているのか…?
特に『スモーカー中将』という者に執着している様に聴こえたが。…いや、もしやこの中将の方からテゾーロに癒着の打診をしているのではないだろうな…?
先日、ルッチは退屈な長期任務が明けたばかり…元海賊の成り上がり国王と、田舎中将風情の癒着
ルッチ「♪…ボルケ島……温泉の島か……」フム…
暇潰しついでに、ハットリと温泉でも楽しむのも悪くはないな…♪