黄金と豹
…スラッ…タン!
ルッチ「…さぁ、入って……
ああ、そこに段差があるから気を付けて……」ソ…
テゾーロ「…ι??…ありがとう…☆(丁寧過ぎる…ι)」オズ…
2人きりになった途端、ルッチの扱いは急に丁寧になったが、テゾーロにはそれがかえって怖かった。宿までの戻る道すがら、こんな調子でずっとちやほやと丁寧で優しい…まるで妊婦か恋人の様にエスコートされて。
さっきまであんなに高圧的だったのに…得体が知れない。
ササッ…ススッ…
ルッチ「疲れただろう?ここに座ってくれ。今茶を淹れるから……」コポポ…スッ…コト…
テゾ「……ιいや、お構い無く…☆」スン
座敷に素早く座布団を用意し、香り高い茶を淹れる…その一連の動きはまるで流れる様で…
せっかくの諜報員の能力を無駄に発揮しているルッチ。いそいそとテゾーロの向かいに座る…
ポスン♪
ルッチ「フー…さて、ようやくこうして邪魔の入らない状況になった訳だが……」
テゾ「(…ιⅢ一体何を言い出す気だろう……
この件を口止めする代わりに天上金を上乗せしろとか…?ι
!…ιまさか、もう海軍と交流するな、とか言い出すんじゃあ…☆Ⅲ)」ドキドキ…ι
ルッチ「オホン……では単刀直入に言おう…
…///テゾーロ…!俺と付き合ってくれ…恋人になって欲しい…愛してる…!!♡」ドン!!
テゾ「ΣιⅢ!?……Σガターン!←(倒)
Σいや…唐突過ぎるんじゃない!?おかしいでしょ、今までの流れとか…!☆Ⅲ」ゴーンι
ルッチ「…///驚く顔も愛おしいよ、テゾーロ…♡」ジ
テゾ「(ιもう完全に呼び捨てだし…)…ιねぇ、ルッチ君、話聞いてる!?☆」スン
ルッチ「……///ああ……
テゾーロに触れられたあの瞬間、まるで身体の隅々に電流が走った様だった…
俺の身体に宿る豹の能力も確信した…!きっとこれが愛…!テゾーロこそが運命の相手、俺の真のご主人様なのだと…!♡」ウットリ…♪
…信じられない。あの無機質な殺戮マシンと言われるルッチの頬は紅潮し、暗く鋭い瞳には、かつてない程キラキラと光輝いていて…
テゾ「Σιちょ、ちょっと待ってルッチ君っ!一旦落ち着こう?!きっとそれは君の勘違いだよっ!☆
ι青年特有の一時の気の迷い!…うん、そうに違いない!☆」
ルッチ「…これが私の勘違い…と?」スン
テゾ「ιう、うん…きっと…☆」
ルッチ「(……)…そう言うのならば…試しにもう一度俺に触れてみてくれるか……?」ス
テゾ「ιえ…?☆」
ルッチ「…俺に触れた貴方の手はとても慈悲深く、そして温かかったんだ…
身体どころか、俺の心の奥までまっすぐに届く程の温もりには今だかつて出会った事は無い……さぁ、触れてみて欲しい…」
テゾ「(……ι)………ι触れるだけなら…☆」…オズ…ι
テゾーロは少し躊躇しながら、卓袱台越しのルッチの手に触れた…2人の体温が手を通じてじわりと溶け合う。
ギュ…♪
ルッチ「(……///ハァァ…♡♡♡…)」ジーン…♪
テゾ「ιあっ…!☆」グ
ルッチ「…///なんて温かい…柔らかな手だ…ウットリ♡」グイ
テゾ「…ιちょっと、ルッチ君?…☆」
ルッチ「(♪)…最高だ…貴方はやっぱり私の運命の人なんだ…///愛してる…♡…」ジ…
テゾ「…ι///っ!…近いからっ…!…☆」プイ
ルッチ「…照れているのか…?ニッコリ♡…」ギュ…
テゾ「(///…ιうぅ…顔が良い~…ヒーンι…)」
海の様な深いブルーの瞳。端正な顔立ちのルッチが間近に。並みの一般人ならあっさりと惚れてしまいそうだが……
ルッチ「テゾーロ…俺は本気なんだ……
どうか俺の愛を受け止めてくれ……!…」ジ
テゾ「…///ι~…ルッチ君、その願いは聞けない!…ιダメだよ…!☆…」カァ…
ルッチ「…お願いだ…
テゾーロ…俺と恋人になって欲しい…!」グ…
テゾ「(ιこうなったら…)…
もう手を離してくれ…さもないと…!☆ι…」グ…!
…ミシ…
ルッチ「!……これは…」ピク
テゾ「…ιほらね、これ以上黄金で固められたくなければ……☆」…ギシ…
テゾーロに触れている部分が、じわりと黄金に侵食され始める。テゾーロのゴルゴルの実の能力だ。これで多少は脅威に感じてくれたか?
…しかし。
ルッチ「……Σふッ…!」グ…!
…ミシッ…!……ズズ…
テゾ「……ιえっ?☆…ι私の能力が…!Ⅲ」
シュウゥ…
ルッチ「(……)…フゥ……残念だったな。
『覚醒した能力者』は、ある程度の能力なら抑え弾き返す事が出来る……
…///それにしても随分と可愛らしい真似を…
『恋人』にそんな物騒な事をする必要は無いだろう?♪」グイ
これは六式と武装色の合わせ技なのだろうか?
テゾーロの手を掴むルッチの手が、鉄の様に怪しく黒光りしていた。
黄金の能力はそれに塗り潰される様に打ち消されて…
テゾ「…ιⅢそんなッ…
…ιだめだよ、離して…!……ιあ…!☆」ドサ…
ルッチ「♡…テゾーロ…愛してる…///」ズイ
手を掴んだまま、いつの間にかテゾーロを抱き締めるルッチ。振りほどきたいのに、がっちりと蛇に巻き付かれた様で。
遂に抵抗虚しくそのまま畳に押し倒された…