黄金と豹

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ズラリ…
政府役人「「ΣΣお帰りなさいませ、総監ッ!
遠方の任務、ご苦労様でした…!」」Σビシッ!

…ザッ…
ルッチ「(………)」スン
ハットリ『…ッポー……』スン


スパンダム「…んん~?…オイオイ…!
総監のお出迎えにしちゃ人数が少ないんじゃねぇか~?…偉大なるロブ・ルッチ総監様のご帰還なんだぞォ!Σ#舐めてんのかテメェらァッ!あァん!?オラァ!#
…Σねぇ~っ?ダンナ~!♪」ニッコォ♡←汚い笑顔


ルッチ「(………)」スタスタ…←無視

スパ「Σιアッ?…ιちょ…!Σどけぇお前らッ!ι待ってぇ、ダンナ~ッ!♪」ワタァι


港にはズラリと役人達が整列し、諜報機関サイファーポール・0の帰還をうやうやしく出迎えた。

政府艦船のタラップから降りてきたのは、白いスーツに白いシルクハット…おまけに、肩に乗せている鳩もこれまた白い。とにかく全身を白で包んだ寡黙かもくで冷徹そうな男、ロブ・ルッチだった。
…シルクハットの影から覗く眼光は鋭く、一切の隙は無し。出迎えの役人達には、挨拶どころか一瞥いちべつもしない。それは、肩に乗っている相棒の鳩も…
対照的に、後ろから降りて来たスパンダムは、必要以上にやかましく大袈裟に騒ぎ、出迎えの役人達に当たり散らしている。


実はかつて、この2人の立場は逆であった。

『2年前』に起きたとある事件が、この2人の立場をひっくり返してしまったのだ。

媚びへつらう男…スパンダムは、かつての部下に日々必死にゴマを擦り、ご機嫌を伺いながら、何とか返り咲きの隙が無いかと狙っている。しかし、ルッチは圧倒的実力差の自信ゆえか、それを大して気に留めている様子も無い。


聖地マリージョアは今日もうららかな良い天気…
花壇に花は咲き乱れ、道や建物も磨いた様に美しく、行き交う上流貴族の装いも煌びやか。街は平和そのものだ。

…しかしその陰では、数えきれない程の奴隷が、地獄の様な強制労働に嗚咽おえつを噛み締めながら耐えている…

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………………

ルッチ「…『黄金帝』ギルド・テゾーロが、海軍抱き込みの疑いだと…?」ピク

仲間に出迎えられ、一息ついた途端に…
遠方の任務から戻っても、くつろぐ暇は無い。別の問題は山の様に待っているのだ。


カリファ「ええ…
海軍と言っても本部ではなくて、新世界の辺境にある小さな島のGー5駐屯基地よ。
テゾーロ本人が、その基地の人物とこまめに通信しているという情報があったの。
…ただ、それが何故かいつも『白電伝虫』を介しているらしくて、どうにか通話相手や内容を盗聴しようにも……」


ルッチ「………妙だな。」

ステューシー「そうよね…
妨害念波を出す貴重な『白電伝虫』を使ってまで通話してるなんて、余程聴かれたくはない話をしているみたいね。
…政府公認の独立国家なのに、海軍を使って揉み消したい事件でも起きたのかしら?」

ブルーノ「…黄金帝と呼ばれる位だから、金絡みなんじゃないか?
だが、端金はしたがね程度では動かんだろうし……その基地に誰か欲しい人材でも居るのかもな。有能な能力者とか……」

カク「…ι?…そんな辺境基地くんだりに凄い海兵なんぞ派遣されておるんかのう…?…ひょっとしてそこはエリートを養成する基地か?」チラ

ステュ「いいえ、海兵の中でも荒くれ者の吹き溜まりの様な駐屯地と聞くわね。
…そこの管轄担当は『スモーカー中将』と、その補佐官『たしぎ大佐』だったかしら…スモーカー中将なら確かに能力者だけど…」


ルッチ「(……)…確認してみる必要がありそうだ。…ギルド・テゾーロの動向を常に調べておけ。
……いざという時は、俺が動く……」

ステュ「(……)…あら、仕事熱心♪…」


独立国の国王、ギルド・テゾーロ。
世界一のカジノオーナー、そして自らも舞台に立つエンターテイナー…

だが、元はドンキホーテ・ドフラミンゴの部下でもあった海賊で…

そして、更にその昔起きた『フィッシャータイガーの奴隷解放事件』で、奴は渦中に居たらしく…


怪しい…そんな奴が一体何を企んでいる?
場合によっては『粛清』せねばな……

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