黄金と白煙
………………………………………………
ドサ…
テゾーロ「…フゥ…飲み物を…☆」
メイド「はい、どうぞ…♪」ス…
メイド「テゾーロ様、タオルでございます…」ス…
テゾ「ああ、ありがとう…☆」モフン…♪
ステージ用ジャケットとシルクハットを脱ぎ捨て、金縁のサングラスを未だ汗の輝く額に上げた。
テゾーロの側に控える見目麗しいメイド達は、それらステージ衣装をテキパキと片付け、疲れてソファに身を投げ出したテゾーロには、素早く冷たい飲み物やタオルを用意する。
ここは、ステージ裏にあるテゾーロの為の楽屋。…楽屋といっても、普通に生活出来る程の設備は一通り整っており、まるで豪華なマンションの一室の様な設 いだった。
…今夜のステージは、ちょっと気合いを入れ過ぎちゃったかなぁ?…でも、そうでもしないと私の真摯な想いも伝わらないし…
それにしても、あの時のスモーカー中将の呆気に取られた顔ときたら…♪
…ιスモーカー中将は、まだきっと私を疑っているんだろうな~…でも仕方ないのかな…
今までグラン・テゾーロのカジノにやって来た海兵達も、大体そんな連中ばかりだった。
『どうせ元海賊なんだろう?』…『成り上がりの国王だしな…』という想いが、蔑みの目線の中にも混じっていたし……
でも、今日やって来た海軍Gー5には、珍しく好感を持った。
私だって、初めこそ何でそんな得体の知れない辺境駐屯地の海兵達を?ι…と思ったが、蓋を開けてみれば、何と裏表の無い気さくな連中じゃないか♪…ま、ちょっと荒っぽいのは否めないけど…
そんな粗野な野犬連中(←失礼)を一纏めにしていたのは、スモーカー中将だった。…正に狂犬…剥き出しの刀の様な鋭い気迫を持った人。
でも、キャスト達には、とても丁寧に分かり易く、護身術とその心構えを教えてくれた。
沢山の美しい美女キャストに囲まれていても、鼻の下を伸ばしたりふざけるどころか、きちんと一人一人に真面目に対応する紳士だった。
粗暴そうな見た目なのに、あんなに優しい人だなんて…♪
…あの人とこれきりで終わってしまうのは惜しいな。
テゾ「(……☆)」ス…♪
天井のクリスタル造りのシャンデリアに、飲んでいたグラスをそっと翳す。
シャンパンの細かな気泡が、パールネックレスの様な美しい光の列を作って揺れている。
そういえば、スモーカー中将も悪魔の実の能力者だったな。
でも、護身術講座の中でその能力を使っている所は見なかったけど…やっぱり警戒されてるからかな…?ι
モクモクの実って、つまり煙…??うーん…
あ、私が直に頼んだらひょっとしたら見せてくれるかなぁ…♪
ステージ明け、どこか少しハイな気分のまま、ソファで休んでいると…
…シュポン!
タナカ「するる~…テゾーロ様♪本日も素晴らしいステージでございましたね~♪
…ιあの…ところで『また』あの方が楽屋外までお見えになっておりまして…テゾーロ様は、ステージを終えたばかりで大変お疲れであるとお伝えしたのですが、どうしても会ってお話したいと…
…ι如何なさいますか~?」
テゾ「(……ι)…ιあ~…分かった…今行く…☆」ハァ
タナカ「ι護衛をお付けしますか?」
テゾ「いや、要らないよ…
ちょっと話をしてくるだけだし…☆」ノソ…
タナカ「ι何かありましたらすぐにお声掛け下さいね~?」ハラハラι
浮き立っていた気分は急に沈んだ。
面倒そうにソファから立ち上がるテゾーロ。
…これだけ世界的なエンターテイナーになると、やはり過激なファンも出てくる。
普通なら丁重に『門前払い』なのだが、このカジノにおいてのファンというのは……
……………………………
大金持ちの男「Σ///テゾーロだぁ~ッッ!♡
会いたかったよ~!♪今日はステージで私にとびきりセクシーなウインクをくれただろう?!嬉しかったな~ッッ!♡///」ガバァ…!♪
テゾ「ΣιⅢッうわ…?!☆」グェι
楽屋を出た途端、花束を抱えた身なりの派手な大男にいきなり抱き付かれた。…疲れているのに全く…ι
この男は、テゾーロの大ファンを公言している熱烈なファンの一人だ。いつもカジノやショーにも大金を落としてくれる上太客なのだが、最近は一方的な思い込みを強く感じる…
テゾ「(…ιう…)…ιⅢあ…ありがとうございます…
ιですが、その…あれはただ単に観客の皆様へのちょっとしたサービスでして…☆」
男「Σ貧乏な客共にそんなサービスなんてしなくても良いんだよ~っ!///だって、テゾーロは私だけのものだろう?♡…はああ、テゾーロ…!何て甘くて芳 しい香りなんだ…!♪」スゥーン…♪
無理矢理間近で匂いを深く吸われて、思わず身の毛がよだつ。
テゾ「…ΣιⅢ…ひぅ…!…ゾワι
…ιちょっ…お止めをっ…!ここは人目も多うございますから…!☆」グ…
男「///照れなくても良いよ~?可愛いなぁ~♪愛してるよ!テゾーロ~!♡」ハァハァ♪
テゾ「…ιⅢあッ?…止めて下さいっ…!」グイ…
暴走した勢いというものは恐ろしい。
何とか離れようとしても、恐ろし力で手を掴まれて…興奮に血走った目をした男の顔がどんどん近付いてくる。
男「///そうやって私の誘いをいつもはぐらかすよね?それってつまり、私を焦らしているんだろう?テゾーロは罪深いなぁ…本当に堪らないよ~!ハァハァ♡」ギリ…
テゾ「…ιⅢいッ…つ…!
ι違いますッ…お願いですから、もう離してっ…!」グ…
いい加減掴まれた腕が痛い…『昔』を思い出す…
気分も悪くなってきた。上客だからと思って『能力』を使わない様にこちらは穏便に済まそうとしているのに…でも、こうなったら仕方無いな…ι
その時……
モクモク…
スモーカー「…俺は『こんな時』どうすると教えた…?」
テゾ「(……!ι)……Σιえいッ!!☆」
Σグイッ…!…ギュウウゥ!…
男「ιⅢうッ?…Σあいたたたた~ッ!」ドターン!
男に掴まれた腕をそのまま流れる様にくるりと捻り、もう片方の手で一気に逆方向に掴み上げる…!
相手に手を掴まれた時の護身術だ…!
余りの痛みに転倒して悶絶する男…だが、テゾーロはその手を緩めなかった。
テゾ「♪…やった…出来たぁ!☆」
スモ「…ああ、上出来だ…♪」
男「ιⅢ…い゛たいぃ…!離じでェ~!」ジタバタι
ドサ…
テゾーロ「…フゥ…飲み物を…☆」
メイド「はい、どうぞ…♪」ス…
メイド「テゾーロ様、タオルでございます…」ス…
テゾ「ああ、ありがとう…☆」モフン…♪
ステージ用ジャケットとシルクハットを脱ぎ捨て、金縁のサングラスを未だ汗の輝く額に上げた。
テゾーロの側に控える見目麗しいメイド達は、それらステージ衣装をテキパキと片付け、疲れてソファに身を投げ出したテゾーロには、素早く冷たい飲み物やタオルを用意する。
ここは、ステージ裏にあるテゾーロの為の楽屋。…楽屋といっても、普通に生活出来る程の設備は一通り整っており、まるで豪華なマンションの一室の様な
…今夜のステージは、ちょっと気合いを入れ過ぎちゃったかなぁ?…でも、そうでもしないと私の真摯な想いも伝わらないし…
それにしても、あの時のスモーカー中将の呆気に取られた顔ときたら…♪
…ιスモーカー中将は、まだきっと私を疑っているんだろうな~…でも仕方ないのかな…
今までグラン・テゾーロのカジノにやって来た海兵達も、大体そんな連中ばかりだった。
『どうせ元海賊なんだろう?』…『成り上がりの国王だしな…』という想いが、蔑みの目線の中にも混じっていたし……
でも、今日やって来た海軍Gー5には、珍しく好感を持った。
私だって、初めこそ何でそんな得体の知れない辺境駐屯地の海兵達を?ι…と思ったが、蓋を開けてみれば、何と裏表の無い気さくな連中じゃないか♪…ま、ちょっと荒っぽいのは否めないけど…
そんな粗野な野犬連中(←失礼)を一纏めにしていたのは、スモーカー中将だった。…正に狂犬…剥き出しの刀の様な鋭い気迫を持った人。
でも、キャスト達には、とても丁寧に分かり易く、護身術とその心構えを教えてくれた。
沢山の美しい美女キャストに囲まれていても、鼻の下を伸ばしたりふざけるどころか、きちんと一人一人に真面目に対応する紳士だった。
粗暴そうな見た目なのに、あんなに優しい人だなんて…♪
…あの人とこれきりで終わってしまうのは惜しいな。
テゾ「(……☆)」ス…♪
天井のクリスタル造りのシャンデリアに、飲んでいたグラスをそっと翳す。
シャンパンの細かな気泡が、パールネックレスの様な美しい光の列を作って揺れている。
そういえば、スモーカー中将も悪魔の実の能力者だったな。
でも、護身術講座の中でその能力を使っている所は見なかったけど…やっぱり警戒されてるからかな…?ι
モクモクの実って、つまり煙…??うーん…
あ、私が直に頼んだらひょっとしたら見せてくれるかなぁ…♪
ステージ明け、どこか少しハイな気分のまま、ソファで休んでいると…
…シュポン!
タナカ「するる~…テゾーロ様♪本日も素晴らしいステージでございましたね~♪
…ιあの…ところで『また』あの方が楽屋外までお見えになっておりまして…テゾーロ様は、ステージを終えたばかりで大変お疲れであるとお伝えしたのですが、どうしても会ってお話したいと…
…ι如何なさいますか~?」
テゾ「(……ι)…ιあ~…分かった…今行く…☆」ハァ
タナカ「ι護衛をお付けしますか?」
テゾ「いや、要らないよ…
ちょっと話をしてくるだけだし…☆」ノソ…
タナカ「ι何かありましたらすぐにお声掛け下さいね~?」ハラハラι
浮き立っていた気分は急に沈んだ。
面倒そうにソファから立ち上がるテゾーロ。
…これだけ世界的なエンターテイナーになると、やはり過激なファンも出てくる。
普通なら丁重に『門前払い』なのだが、このカジノにおいてのファンというのは……
……………………………
大金持ちの男「Σ///テゾーロだぁ~ッッ!♡
会いたかったよ~!♪今日はステージで私にとびきりセクシーなウインクをくれただろう?!嬉しかったな~ッッ!♡///」ガバァ…!♪
テゾ「ΣιⅢッうわ…?!☆」グェι
楽屋を出た途端、花束を抱えた身なりの派手な大男にいきなり抱き付かれた。…疲れているのに全く…ι
この男は、テゾーロの大ファンを公言している熱烈なファンの一人だ。いつもカジノやショーにも大金を落としてくれる上太客なのだが、最近は一方的な思い込みを強く感じる…
テゾ「(…ιう…)…ιⅢあ…ありがとうございます…
ιですが、その…あれはただ単に観客の皆様へのちょっとしたサービスでして…☆」
男「Σ貧乏な客共にそんなサービスなんてしなくても良いんだよ~っ!///だって、テゾーロは私だけのものだろう?♡…はああ、テゾーロ…!何て甘くて
無理矢理間近で匂いを深く吸われて、思わず身の毛がよだつ。
テゾ「…ΣιⅢ…ひぅ…!…ゾワι
…ιちょっ…お止めをっ…!ここは人目も多うございますから…!☆」グ…
男「///照れなくても良いよ~?可愛いなぁ~♪愛してるよ!テゾーロ~!♡」ハァハァ♪
テゾ「…ιⅢあッ?…止めて下さいっ…!」グイ…
暴走した勢いというものは恐ろしい。
何とか離れようとしても、恐ろし力で手を掴まれて…興奮に血走った目をした男の顔がどんどん近付いてくる。
男「///そうやって私の誘いをいつもはぐらかすよね?それってつまり、私を焦らしているんだろう?テゾーロは罪深いなぁ…本当に堪らないよ~!ハァハァ♡」ギリ…
テゾ「…ιⅢいッ…つ…!
ι違いますッ…お願いですから、もう離してっ…!」グ…
いい加減掴まれた腕が痛い…『昔』を思い出す…
気分も悪くなってきた。上客だからと思って『能力』を使わない様にこちらは穏便に済まそうとしているのに…でも、こうなったら仕方無いな…ι
その時……
モクモク…
スモーカー「…俺は『こんな時』どうすると教えた…?」
テゾ「(……!ι)……Σιえいッ!!☆」
Σグイッ…!…ギュウウゥ!…
男「ιⅢうッ?…Σあいたたたた~ッ!」ドターン!
男に掴まれた腕をそのまま流れる様にくるりと捻り、もう片方の手で一気に逆方向に掴み上げる…!
相手に手を掴まれた時の護身術だ…!
余りの痛みに転倒して悶絶する男…だが、テゾーロはその手を緩めなかった。
テゾ「♪…やった…出来たぁ!☆」
スモ「…ああ、上出来だ…♪」
男「ιⅢ…い゛たいぃ…!離じでェ~!」ジタバタι