白煙と黄金

…Σワァァァ…!!キャー♪

テゾーロ『…Ohh~…♪
…金で買えないものなど無いィ…!♪…』

天空劇場を見渡す限り埋め尽くす客の大歓声。
響き渡る伸びやかな歌声と、それにシンクロするかの様に輝くカクテルライト…

昼間、真面目に護身術講習を受けていたキャスト達は、肌も露な衣装に一子乱れぬ見事なラインダンスでムードを盛り上げる。
テゾーロはそんなステージを縦横無尽に駆け回り、高らかに唄い華麗なステップを踏む…

そして、こちらでは……


スモーカー「(…ι何でここまで…Ⅲ)」ハァ

隊員「Σ///すげぇ~!ハデハデのピッカピカステージだよ~!♪」ピーピー♪
たしぎ「ι確かに…こんなに凄い舞台を観たのは初めてかも…!」

ここは、ステージ最前列。所謂いわゆるマニア垂涎すいぜんのV.I.P.席…
結局スモーカー達は、食事(芋煮)の施しを受けた上に、半ば無理矢理引き留められ、チケット入手困難と言われるゴールド・ステラショー特別招待の歓待まで。

一体何のつもりだ?受け取らなかった謝礼金代わりのつもりなのか…?ι

♪♪…

テゾ『…Σゴールド・スプラァーッシュ!!☆♪…』…Σブワァッ!!…Σザバァァァ…!…☆

ΣΣキャー!♪ウォォォ…!♪

隊員「Σ///おわーッ!?♪
黄金が降ってくるぞ?♪集めればお金持ちだぜ~い!!♪」ヒャッホー☆

スモ「…Σι…な…!?…」ピク


遂にステージのクライマックス…
テゾーロが、人差し指を天に突き上げた瞬間、グラン・テゾーロ内のあちこちから、膨大な量の黄金が噴水の様に一気に吹き上がった。
頭上から大量に降り注いでくる黄金の雨…
観客達は、大喜びではしゃぎながらそれを全身で受け止める。

ιまずい…!

この降ってくる黄金の雨は、テゾーロの能力を帯びているに違いない。もし浴びてしまえば、首輪を付けられたも同然だ…!
ここは最前列の席、黄金を遮る屋根も隠れる場所も無い。

スモ「…ιくそ…!
結局これがテゾーロの狙いだったのか…!」グッ…
たしぎ「Σιえっ…!?スモーカーさん何を…!」

海楼石の大十手に手を掛けた。
何人守れるかは分からないが、こんな所でGー5の隊員を丸ごと全滅させられて堪るか…!こうなったら、例えテゾーロと刺し違えてでも…!

だがその時………


隊員「Σよっと…!黄金頂き~!♪
?…ιあれっ?採れてねぇ?何でだよ~ッ!ι」スカッ…スカッ…!

スモ「??…ι黄金が…避けている?…」ス…
たしぎ「…うわ…凄い…!綺麗…///♪」ホウ…

降り注いできた黄金は、スモーカー達からふわりと離れてゆく。近くまでは落ちてくるのだが、無理矢理採ろうとしても、何故かどうしてもするりと避けてゆくのだ。


スモ「…ι何だってんだ……?」

まるで、見えないドームの中から黄金の天の川を仰ぎ見ている様に見事で…


テゾ『(……ニコッ…♪☆)』wink♡
スモ「(……!ι)」ドキ…!ι


呆気に取られた様な表情で、思わずステージ上のテゾーロを見たスモーカー。
その瞬間、悪戯っぽい笑顔を浮かべたテゾーロにウインクをされた…


…何故テゾーロは黄金に触れさせない…?ι



いや、それよりも…

俺は何でテゾーロにウインクされてドキッとしてるんだよッ…!ι///


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