「ごはん、食べるやろ？」






ふわっと笑いながら問いかけられる




一緒に暮らし始めた時は何度もこの笑顔に
心がきゅっとなった




もちろん、今も慣れない
きっと一生心をきゅっとさせられる







「ありがと、食べる」


「ほな、はよ顔洗っておいで」





作り終えた朝ごはん……時間的にはお昼ごはんをお皿に盛り付けながら言われる




「ん、分かった」





顔を洗って戻ると、そこには立派なお昼ごはん
ごはん、お味噌汁、焼き鮭、おひたし……



京都にいた頃もこんな風に優しい朝ごはん食べたのかなぁなんて考えてると





「何か変なもん用意してしもた？？」


「ん、え？」




ちょっとだけ不安そうな顔で覗き込まれる




「ううん、違う。優しいなぁって思って」


「優しい？僕が？」


「うん、そう。だってこんなん、人の事想える人じゃないと作れやんと思うし」





それに、と付け加える






「大好きな人からこんなにも優しくしてもらえるの、幸せやなぁって思ってさ」


「え……」




ハッとして彼の顔を見る



耳まで赤くしながら手で口を抑えてあたふたしている





その様子を見てようやく自分の発言にすごく照れを感じて、私まで赤くなっていくのが分かった





「あ……ほ、ら！ごはん！せっかくあったかいから早く食べよう！」


「え、あ、うん、そうやな！」






半ば強引に話を切り上げて席につき
少し照れたまま一緒にごはんを食べた