gatta―抵抗―
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人間に、なりたい
もしも…人間になれたら…
「ナマエー?何処にいるんですか?」
息を潜めて、隠れる。
捕まったら嫌な事ばかりされるから。
「クフフ…かくれんぼですか。ナマエは可愛い遊びがお好きですねぇ。」
―キィッ―
『っ!!』
隠れている部屋に、入って来た。
「ナマエ、大人しく出てきてください。」
体を小さく丸めて、狭い隙間の奥に身を潜めた。
「…いけない子ですねぇ。」
―ガガッ―
床を引きずる音と共に、私が隠れていた隙間の家具がゆっくり退かされていく。
「ナマエ、見つけましたよ。」
『ニ゛ャッ!?』
目の前にあるのは、飼い主の黒い笑顔。
怒ってる…絶対怒ってる!!
「ナマエ、洗ったばかりなのに何故そんな汚い所に逃げるんですか?」
『ニャーッ!!フーッ!!』
撫でる手つきがいやらしいからです!!
…勿論、そんな事を猫の私が言っても、飼い主に伝わるわけがない。
「クハハハッ!!まぁ、そう照れずに。」
『……』
伝わっているのかいないのか、微妙な答えだ。
「さぁナマエ、もう寝る時間ですよ。」
『ニ゛ャーッ!!』
小さい私の体は、飼い主に簡単に抱き上げられ、ベットへ連れて行かれた。
「クフフ、おやすみなさい。ナマエ。」
『……』
ベットの中で抱きしめられて、逃げようとしても人間の力にはとてもかなわない。
「……」
瞼を閉じ、寝息をたてる飼い主を確認して、私はその腕の中から飛び出た。
『……』
大きな体が、欲しい。
抵抗する声が、欲しい。
早く走れる手足が、欲しい。
人間に、なりたい。
『ニャー…』
飼い主から、逃れる為に。