予知夢(骸夢)
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屋上で1人の女性が泣いていた。
僕はそれを眺めていた。
女性の側には男が1人居て。
何故泣いているのかは分からなかった。
ただ、側に居るその男が原因なのだということだけ分かった。
「……」
目を開けると、見慣れた教室。
どうやら居眠りをしていたらしい。
「おはようございます、骸様。」
「あぁ千種。今はもう休み時間なんですか?」
「はい。」
授業の始まりから記憶が無い。
そこまで眠かった気もしませんが。
「骸さんが居眠りなんて珍しいれすねー。」
「クフフ、そうですね。ちょっと外の空気を吸ってきます。」
教室を出て、屋上へ向かった。
それには理由がある。
夢に出ていた場所が屋上だったこと。
そして、泣いていた女性にどことなく見覚えがあったことだ。
くだらないとは分かりつつ、眠気覚ましには丁度良い。
「……」
屋上の扉が、少し開いている。
そこから覗くと、隙間から見える場所に人が居た。
『うっ……な、んで…』
彼女だ。
夢に出てきた彼女、ナマエさんだ。
あまり話した事もないし、印象は薄い。
けれど、同じクラスメートだから覚えている。
「だから、ダルいんだよ。お前のそういうところ。」
男の方にはあまり見覚えは無い。
他のクラスなのでしょう。
雰囲気から察するに、彼女は今彼氏であろう男に別れ話をされている。
それで泣いていたのか。
「それに……俺もう、他に好きなやつ居るから。」
『っ、だ…れ…誰なのっ』
「お前には関係ないだろ!」
『嫌だよ…お願い、私、ダメなところは直すから……』
「もう無理だって。」
『無理じゃないよ!お願い、別れたくないの!』
くだらないやり取りだ。
夢の中でのナマエさんはもっとおしとやかに泣いていたのに。
そこは所詮夢か。
「とにかく…俺は、もう戻るから。もう教室に来るなよ。」
『うっ…や、だぁ』
「じゃあな。」
男の方が此方へ歩いて来て、扉を完全に開けた。
「っ、」
僕の存在に気がついた彼は一瞬目を見開いたが、何も言わずに通り過ぎる。