ドッペルゲンガー
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『どうして、知ってるの?』
「クフフ」
骸君は笑うだけで答えてくれない。
『……あそこに居る私って、誰なんだろ。』
「ナマエですよ。」
『私は此処に居るじゃない。』
「それでも、あそこに居るのはナマエだ。」
少しムッとして骸君を睨む。
あれをナマエだと認めないでほしい。
『ナマエは私だよ。』
「クフフ…困りましたねぇ。」
困ってるのは私だ。
「ナマエ。」
『何?』
「雲雀君との出会いを、貴女は言えますか?」
『何を急に…』
「答えて下さい。」
意味が分からないよ。
雲雀先輩との出会い?
何でそんなこと聞いてくるの?
『…っ、』
「ナマエ。」
『あ…ちが…』
「貴女は雲雀君との出会いを言えるわけがない。」
違う。
やめて。
「偽物なのは、貴女なんですから。」
私が…偽物?
『違う…』
「ナマエ。」
『私は偽物じゃない!』
―ズキッ―
『う゛っ』
頭が痛い。
言葉が浮かんでくる。
「僕、言いましたよね?」
『な、にを…』
聞きたくない。
やめて。
「忘れないで…貴女は、僕の幻覚によって作られたという事を。」
私が…骸君に作られた?
“もしかしてナマエ、それが話したくて授業出たの?”
“雲雀さんとは上手くいってるの?”
普段の私とは違う行動をした。
雲雀先輩との質問に一瞬戸惑った。
「本当は、よりナマエに近い貴女を作る事が目的でした。」
『どうして…っ』
「貴女に愛してほしかったからです。」
『っ、』
骸君が、一歩一歩近づいてくる。
私は怖くて後ろに一歩引いた。
「ですが、作ったナマエまでもが雲雀君を愛してしまった。」
『骸君…いや…』
「さようなら、偽物のナマエ。」
私の足元から消えていく。
あぁ、思い出した。
私には家に帰った記憶が無いんだ。骸君に眠らされていたから。
私は本当に、偽物だったんだ。
『あ…』
今、一瞬本物の私と目があった気がする。
『ごめんね』
存在してはいけないのは、私だったんだ。
END