ドッペルゲンガー
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―コンコン―
「入って良いよ。」
『失礼します。』
いつも私が昼休みに応接室に来ることは、雲雀先輩にとっても日常となっているらしい。
私がノックすれば入って良いと言ってくれる。
『お昼…一緒に食べませんか?』
「良いよ。何だか元気無いね。」
あぁ、雲雀先輩には分かってしまうんだ。
流石だな。
『その、雲雀先輩に言ったら笑われるかもしれませんけど…』
「良いよ。話して。」
雲雀先輩がソファに座って、その隣を軽く叩くから私はそこに座った。
撫でられる頭が気持ち良い。
『それが…』
全て話した。
雲雀先輩に。
雲雀先輩は笑う事もなく聞いてくれて、獄寺みたいに茶々入れてこない。
「成る程…つまり、今も君は此処に居るのに、もう1人のナマエがどこかに存在しているかもしれないんだね?」
『はい…』
そうだ。
今までも何処かで存在していたもう1人の私。
きっとまだどこかにいる筈だ。
「ふぅん…不思議だね。」
『やっぱりドッペルゲンガーなんですかね?』
「ナマエはそう思うのかい?」
『雲雀先輩はそれ以外に何が原因だと思いますか?』
「わからないけど……ねぇ。」
『はい。』
ギシッ、とソファの音が聞こえる。
雲雀先輩の顔が目の前にある。
近い。凄く近い。
『ひ、雲雀先輩?』
「恭弥さんって呼んでよ。」
『えっ』
「さっきみたいに、恭弥さんって呼んで。」
さっき…?
『雲雀先輩、何を…』
「ナマエ、さっきまで居たじゃないか。お昼はたまには沢田綱吉達と話すとか言って出たけど。」
『……』
私は、さっきまでツナ達と授業を受けていた。
だから、私が雲雀先輩とさっきまで一緒に居たなんて有り得ない。
だから、さっきまで居たのはもう1人の――…
『っ、』
「ナマエ?」
『私…さっきまで…授業に出ていました。』
「え?」
『だから、雲雀先輩が会ったのは私じゃないんです。』
悔しい。
もう1人の私は、雲雀先輩と居たんだ。
恭弥さんって呼んでいたんだ。
雲雀先輩だって、そう呼ばれて何もしない筈がない。
キスしたり、抱きしめたりしていたんだ。