汚れた部下(ディーノ)
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『ディーノ?』
真っ暗な部屋。
仕事が終わってすぐにディーノは部屋へ籠ってしまった。
電気もつけずに、部屋の角でただ膝を抱えて座っている。
理由は聞かなくても分かる。
今日、ディーノは初めてマフィア…いや、人に銃を向けてしまった。
撃ってしまった。
そのうち嫌でも慣れてしまう人殺し。
まだ未熟なディーノにはそれが難しいみたいだ。
「俺、さぁ…」
『うん』
「初めて、自分が殺されるって思って、さ」
『うん』
「怖くて…死にたくなくて、気付いたら銃で撃っててさ。」
『うん』
「血が…半端なくて…っ」
私はディーノを抱き締めた。
ディーノは一瞬肩をびくつかせたが、そっと私の背中に腕をまわす。
私達は恋仲ではない。
ディーノは私の未来の上司だ。
いつかはマフィアのボスになって、私達の上に立つ存在のディーノ。
でも、まだまだ身も心も幼いディーノ。
『ディーノ。』
「な、に」
『もっと拳銃の腕をあげなさい。アレは下手すぎる。』
「なっ!何で今、そんな話しを…」
『しっかり狙わないから、死ななかったよ。あのマフィア。』
「え…」
『だーかーら、死んでないの!』
「ほ、本当?」
『本当。まぁ、出血はヤバかったけど』
「良かった…良かったぁ!」
抱きついていたディーノが少し離れて、嬉しそうに笑った。
『良かった、じゃないでしょー。もしその弾が相手に当たりもしなかったら、ディーノが死んでたんだよ?』
「そうだけど…でも、そいつが死んで悲しむ奴もいるんだ。だから、死ななくて良かった。」
『やれやれ…私達の未来のボスはヘタレだね。』
「わ、悪かったな!」
ねぇディーノ。
私が言った事、全部ウソだよ。
本当は相手は即死。
貴方の銃の腕前は凄いよ。
混乱していても、ちゃんと殺せた。
それはボスの素質として凄い事なの。
「俺は、困ってる奴を助ける……そんなマフィアになりたい!ナマエも、ついて来てくれるか?」
その疑う事を知らない瞳。
貴方からその輝きを失わない為に、私達部下は汚れていくの。
『勿論。私はずっと、ディーノの側にいるよ。』
嘘つきで汚い私が側に居れば、貴方は輝き続ける。
(まだ小さいボス。貴方が汚れるのはまだ早い)