記憶(骸夢)
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目を覚ますと、ガーゼで塞がれている方の目に激痛が走った。
痛い。
この片目は、再び何かを見る事が出来るのだろうか。
それでも僕はまた、実験に使われる。
ナマエはもう起きて子供達の所へ戻ったのだろうか。
僕が戻ったら、また抱き締めるのだろうか。
僕は貴女の実験を受けたのに。
「力を試すのはまだ時間が必要だな…とりあえず、部屋に戻りなさい。」
「…ふざ…けるな」
「は?」
目が痛い。
新しい目が、騒いでる。
僕の中で憎しみが増える。
「ふざけるなふざけるなふざけるなふざけるな!!」
「なっ」
目の前にいた大人をメスで殺した所までは覚えている。
それから僕はどうやって周りの大人を殺したのだろう。
正気に戻った時にはもう、誰1人として立ち上がらない。
僕の手には、血まみれの武器が握られている。
「ハァッ、ハッ」
静まる部屋。
微かに聴こえる短い息遣い。
おかしい。
確かに全員殺した筈。
『む…くろ…』
「…ナマエ?」
カーテンの向こうから聞こえたのは、彼女の声。
「ナマエ…ナマエ!」
僕は今、彼女を恨んでいるのだろうか。
それさえ分からず目の前のカーテンを開けた。
「っ、」
『へへ……ごめん、ね。』
彼女はもう、いつもの彼女の姿ではなかった。
綺麗で細かった脚は切り取られ、片方は鉄の塊が組み込まれている。
もう片方は諦めたのか、切断されたままだ。
『本当は…人を殺せる堅い尻尾を付けて、背中にも武器を……埋め込みたかったみたい。』
「あ…あ…」
『でもその前に、血が無くなったから……中止だってさ。』
中止。
それは、実験体が耐えきれず死ぬ時の言葉。
彼女は今、止血もされていなければ輸血も何もされていない。
死ぬのを、待っているんだ。
「っ、ナマエ!嫌だ!」
何故彼女がこんな姿になってしまったんだ。
本当なら、これは僕が――…