記憶(骸夢)
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「六道骸、来なさい。」
突然呼ばれ、連れて行かれる。
実験内容は分からない。
いつもの事。
『待ってください!』
「ん?」
「ナマエ…」
僕の前に背を向けて立つナマエ。
まるで大人から、僕を守るかのように。
『骸の実験…私にやってください。』
「なっ」
「何を言っている。お前には午後から、別の実験を…」
『じゃあ交代して下さい。それがダメなら、両方私がやりますから。』
何を、言っているんだ彼女は。
何故、そんな事を?
「ふん。良いだろう。ではついて来い。」
『はい。』
「ま…待ってください、ナマエ!」
ナマエの腕を慌てて掴んだ。
どうしても気になる。
何故、変わってほしいと?
『骸。ごめんね、勝手な事して。』
「何故です?どうして変わろうなんて…」
『もしかしたら午後の実験には骸が出てもらう事になるかもしれない。』
「構いません。ですから、僕と約束を…」
『ん?』
「また、抱きしめてください。」
嫌な予感がする。
何故彼女は笑っているのだろう。
『うん。約束するよ。じゃあ後でね。』
「はい…」
案外簡単に離れた彼女の腕。
本当に、僕の気にし過ぎなのか。
「……」
彼女は僕たちよりも背が高くて
僕たちをいつも優しく包んでくれて
僕たちのお母さんのような、兎に角大切な存在。
何故彼女は今日、実験を変わったのだろう。
実験の内容を知っていた?
そんな訳がない。
何故、何故何故何故何故
「六道骸。今から君には片目にメスを入れる。」
結局午後になっても帰って来なかった。
そして汚い大人に言われたのは、残酷な一言。
これはナマエが受ける筈だった手術だ。
「…ナマエは?」
「心配するな。今は休んでいる。」
休んでいる?
無事、という事か。
安心感と共に生まれたのは、別の感情。
彼女が知っていたのは、彼女自身の実験の事だったのでは?
それが嫌で…怖くて僕と変わった?
だからあんなに必死だった?
彼女が、僕を見捨てた?