遊園地(骸・雲雀・ベル夢)
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
『む…骸さんっ!!』
本来ならミョウジ君を呼ぶべきなのに、私の頭の中にはは骸さんの名前が出てきた。
その瞬間、後ろから誰かに力強く抱きしめられる。
『――ひっ!!』
「クフフ、静かに。僕ですよ。」
叫ぼうとしたら、耳元に心地の良い声が響く。
『む、骸さん…?』
「はい。」
暗闇に目が慣れたのか、目の前には骸さんの笑顔が見えた。
『う…うわぁぁ!怖かったぁぁ!!』
何だか安心してしまって、思いきり泣いてしまった私。(色気がない…)
それでも骸さんは、今度は私を正面からしっかり抱きしめて、頭を撫でてくれた。
「よしよし。バカですね、君も。何も苦手な所に自ら入らなくても良いでしょう?」
『うっ…ひっ…』
「さ、早く出ますよ。」
『手、繋いでほしいです。』
「勿論ですよ。」
ぎゅっと手を握ると、その分握り返してくれた。
***
外に出ると友人達はもう居なかった。
携帯を見るとメールが入っていて、どうやらそのままペアずつ解散したらしい。
私と骸さんも、遊園地を出ようとゲートに向かう。
「随分と自分勝手な友人ですね。」
『まぁ…彼女たちに悪気は無いんですよ。』
寧ろ、少しは悪気を持ってほしい。
『骸さんはどうして、あそこに居たんです?』
「クフフ、ナマエが僕の寝ている間に勝手に出かけてしまいましたからね。心配になって探したんですよ。」
『置き手紙見ました?遊園地行ってきますってやつ。千種君にも言っておいたんですけど…』
「勿論見ましたし聞きましたよ。でも、ねぇ…まさか男がいるとは…」
『あ、あれは…!!』
そういえば、ミョウジ君は?
「まぁ、ナマエにその気がない事はすぐに分かりましたよ。ですから、出てきたんですけどね。」
手を繋いで、横を歩く骸さんの顔は、笑っている。
私の表情で何か察したのか、骸さんがのぞき込んできた。
「どうしました?」
『骸…さん…は…』
「はい。」
『もし、私も“その気”だったら…どうしていたんですか?』
もし、ミョウジ君の手を握っていたら
もし、腰に回された手を嫌がらなかったら
骸さんは、どうしていた?
「さぁ?どうしていたんでしょうね。」
『っ、』
「帰りましょう。千種達も待ってますよ。」
また、手を繋いで歩き出す。
『……』
もしも私にその気があったら、私をあそこで殺していたのかもしれない。
さぁ?とか言いながら、鋭い殺気を出していたから。
という事は、ミョウジ君は――…いや、考えすぎだろう。
「今度は僕と遊園地に行きましょうね。」
『は、はいっ』
人殺しが、こんな優しく笑うわけないじゃないか。
その日、お化け屋敷の中で男女数人の死体が見つかった。
お化け屋敷はその遊園地からなくなり、ナマエの友人も“減った”。
END