プレゼント(雲雀夢)
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「今日は、僕の誕生日なんだ。」
誰かが私に、こう言ってきた。
夢の中で。
そして、プレゼントを強請られた気がする。
「ナマエが欲しい。それか、ナマエの関わる人間を全部咬み殺したい。」
私はただ嫌だ嫌だと首を振って、
それでもその人は諦めてくれなくて、
どちらかを選んでと言われた。
『わた…しは…』
私が、出した答えは…
「ナマエ、大丈夫?」
『……』
目の前にある、恭弥の顔。
ゆっくり起きあがると、そこは恭弥の部屋。
恭弥と、一緒に眠っていたんだ。
「随分うなされてたみたいだけど。」
『ごめん…大丈夫。』
時計を見ると、まだ23時50分だ。
「悪い夢でも見た?」
『うん…ちょっとね。』
自分を落ち着かせようと、恭弥の胸に顔を押しつけてみる。
すると、恭弥はぎゅうって抱きしめてくれた。
「悪夢なら、話しなよ。」
『…うん、あのね』
夢の内容を話した。
誕生日だとせがまれ、プレゼントが“私”を差し出すか“私の大切な人達”を差し出すか。
私はずっと、どっちも嫌だと首を振る。
でも、許して貰えなくて。
「…ふぅん。」
『ごめん、くだらないよね。』
恭弥に抱きついたまま、私は夢の内容を話した。
「――で。ナマエは何て答えたの?」
『え?』
腰に回された恭弥の腕に、力が入った気がする。
『私…私、は…』
まだ、答えてなかった。
「へぇ。」
『…恭弥?』
時計をふっと見ると、丁度日付が変わった。
恭弥は何だか笑っている。
「僕さ、ナマエから何を貰おうか迷ってたんだよね。」
『え?』
何?
「でも…良いね。それ。」
『恭弥?何が?』
「あぁ、ナマエは知らないか。」
『え?』
「今日は、僕の誕生日なんだ。」
どっちか選んでよって、恭弥が笑った。
END