gatta―別れの悲しみ―
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「なんで…」
『……』
雲雀、ごめんなさい。
花を渡したかっただけなの。
そんな、悲しい顔をさせたかったわけじゃないの。
「っ、」
私の側に来た雲雀は、ただしゃがんで黙った。
そりゃあ、そうだ。
彼は命の潰し方は知っているけど、救い方を知らない。
傷を付ける事は簡単だけど、治す事は難しい。
『ニー…』
私、死ぬんだ…
「おや。」
知っている声が聴こえた。
まだ目が…虚ろではあるけど、見える。
雲雀の後ろに立つ人を見ると、それは六道骸だった。
「どうしたんですか?彼女。」
「……」
「見たところ、車にでも跳ねられましたか?」
「…そうだよ。」
『…にゃ…』
もう、意識が遠くなってきた。
雲雀、最期に、抱っこしてほしかったな。
「彼女を…助けたいですか?」
「っ!?」
六道骸が、変な事を言い出した。
無理だよ。
助かるわけない。
「…助けられるの?」
「クフフ、僕に任せてください。ただし…条件があります。」
「何。早く言いなよ。」
『……』
生きれるの?
また、雲雀と遊べるの?
私、生きたい…
「簡単な事です。ナマエを、僕にください。」
「何を…」
「僕は、ナマエが欲しい。ですから、僕にくれると言うなら、ナマエを助けましょう。」
「……」
『…ゃ…』
嫌、嫌だ。
雲雀がいい。
私が生きたいのは、雲雀がいるからなの。
雲雀と居れないのなら、生きる意味がない。
「本当に…助けられるの?」
「勿論です。僕は、嘘をつきませんから。最も…この話しが嘘だろうと本当だろうと、選ばなければ後悔すると思いますよ。」
「…ちゃんと、世話できるの?」
「クフフ。勿論です。」
『…ゃ、ぁ…』
嫌だよ、雲雀。
一緒に居られないなら…死なせてよ。
「ナマエを…大切に育ててね。」
「クフフ…わかってますよ。」
いつもなら
私の言葉はちゃんと雲雀に伝わっていたのに
この言葉だけは、伝わらなかったみたいだ。