gatta―別れの悲しみ―
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それから、何度も六道骸は来た。
何を考えているのかはわからなかったけど、別に嫌な事をされるわけではなかったから、嫌いではない。
ただ、好きにはなれなかった。
「ナマエ。ほら、ご飯ですよ。」
「ねぇ。勝手に変なのあげないでよ。」
「酷いですね。ちゃんとした猫用のおやつですよ。」
本当に、最近…
六道骸って人がよく来る。
そのせいで、雲雀とのんびり昼寝が出来ない。
『にゃあ…』
雲雀と、二人になりたい。
翌朝。
『ニャッ。』
天気が良かったから、私は学校の周りを散歩することに。
朝早いから、雲雀に会えるかもしれない。
『……』
そういえば、雲雀にお世話になってから暫く経つけど…何もお礼してない。
何か、お礼がしたい。
大好きな雲雀に、ずっと一緒にいてほしい。
『……』
ふ、と道の反対を見ると、綺麗に咲いている花…ヒナゲシが。
本当にヒナゲシかどうかはわからないけど、花の横にカタカナでヒナゲシと書いてあるから、多分そうだ。
―たっ―
『……』
―ぷちっ―
道を渡って、ヒナゲシの花を1本くわえて抜いた。
育てた人には悪いけど、これを雲雀に届けたい。
『ニャ?』
向こうから、学ランをはおった人がゆっくり歩いて来る。
それは間違いなく、雲雀だ。
早く、花を届けたい。
雲雀に、撫でてほしい。
『にゃ…』
雲雀…
「…ナマエ?」
『ニャッ』
雲雀っ
―キキィィィッ―
『…っ…』
「ナマエ!!」
―ドンッ―
何が起きたのか、わからない。
ただ、体が動かなくなった。
雲雀の所へ走って行った筈なのに、雲雀が遠い。
「なっ…ナマエ…」
車が目の前を横切った。
私、ひかれちゃったんだ。