狂っているヒト(骸夢)
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先程まで高く登っていた太陽が、沈んできた。
壁には、まだ足りないけど穴があいた。
『早く…しないと…』
骸さんが帰って来る。
『はぁ…』
私は、全ての力を振り絞った。
―ガンッ―
壁は、私が通れるくらいの穴があいた。
『や、た…』
私、これで…家に帰れるんだ!!
私は、穴から外に出て鎖を引きずりながら走った。
『ハァ、ハァ…』
帰れる…帰れる!!
―ジャラッ、ジャラ―
鎖の音が耳につくけど、私はそれどころじゃない。
『あ、は…』
自然と、顔が緩む。
緊張がほどけたのってどれくらいぶりだろ…
―グッ、ドサッ―
『きゃっ!!』
鎖が何かに引っかかったらしく、私はバランスを崩して痩けた。
『イタ…』
「いけませんね、ナマエ。」
足の方から聞こえた声に、再び緊張感が出た。
『あ…』
私は、恐る恐る振り返った。
顔を見なくても、誰だかわかる。
『む…くろ…さ…』
骸さんの後ろに見える夕陽が眩しくて、私は目を細めた。
骸さんは、私の足にぶらさがっていた鎖を踏んでいる。
「ナマエ、お弁当は食べましたか?」
『……』
私は無言で首を横にふった。
―ドクン、ドクン―
心臓の音が煩い。
思考回路が上手く働かない。
殺される殺される!!そんな考えしかできない。
「そうですか…寂しい思いをさせてすみませんでした。」
『……』
詫びれたように、骸さんはしゃがむと私の頬に触れた。
―ベトッ―
『え?』
「おや。すみません、汚してしまいましたね。」
頬に何かドロドロしたモノがついた。
自分の頬に触れて、それが何かを理解した。
『ち…血!!』
私がガタガタ震えると、骸さんはニッコリ笑った。