狂っているヒト(骸夢)
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「お待たせしましたナマエ。お弁当とおやつ、あと飲み物を置いておきますね。」
30分くらいして、骸さんは再び部屋に戻って来た。
「あと何か必要な物はありますか?」
『…大丈夫、です。』
「そうですか。では、いってきますね。」
焦る気持ちを抑えて、骸さんが部屋を出て足音が遠くなるのを確認した。
『っ、』
―ガギッ―
私はパイプに繋がっている鎖を思いっきり引っ張った。
『くっ!!』
なかなか外れない…
でも、諦めないで引っ張り続けた。
『うっぐぐ…』
もう少しで…
―バキィンッ―
『きゃっ!!』
1時間くらいして、パイプはやっと壁から外れた。
私の体は勢いで後ろに倒れた。
『イタタ…』
尻餅ついちゃった。
でも、此処からが本番だ。
私は床に落ちたパイプを手に取って、絡まっている鎖を外した。
これで壁を壊せば、逃げられる。
『片足に鎖がついてるけど…贅沢言ってられないか。』
私は、パイプを思いっきり振り上げた。
―ガンッ、ガンッ―
ひび割れの入った壁に狙いを定めて、パイプで強く叩いた。
『っ、ハァ!!』
―ガンッ―
『なかなか…崩れない…』
駄目だ、諦めたら。
お父さんとお母さんの所に帰るんだ。
“愛してますよ、ナマエ”
『…骸さん』
あの人が、あんな狂った人じゃなければ私はあの人の気持ちに応えられた。
でも…
『監禁なんて、狂ってる。』
私は、再び壁を強くパイプで叩いた。
日が高く登って、お昼を告げる。
手には豆が出来始めていて、少し痛い。
でも、今日しかチャンスがないんだ。
帰りたいの、私。
『ハァァッ!!』
―ガンッ―
私は、お弁当を口にしないで壁を壊す作業を続けた。