否定(白蘭)/思春期番外編
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「ナマエちゃんは本当に、笹川京子を愛していたのかな?」
『…お前が京子の名前を呼ぶな。』
「愛されないと分かっていながら、ナマエちゃんは京子を愛した。」
『呼ぶなって…』
「あぁ、でも……“きょーちゃん”の影響で“きょうこ”という名前を好きになったのかな?」
『京子の名前をお前が呼ぶな!!』
あぁ、面白い。
動揺してる。
涙目にもなってる。
必死になって、本当に飽きないな。
「ナマエちゃんは、どんなに誰かを愛してもそれを応えてくれる人はいなかったね。」
『うるさい。』
「母親、京子、六道骸。全てに他に大切な人が居た。」
『お前には関係ない。』
「ねぇ、ナマエちゃん。」
『……』
「僕を愛するなら、僕もその分の愛をあげる。僕は、僕に忠実な子には優しいんだ。」
そう、僕なら君の気持ちに応えてあげる。
僕なら君に憎しみを刻まない。
僕なら君だけを見てあげる。
最高でしょ?
『お前に愛なんて無い。それに、お前の愛なんて要らない。』
「……ふぅ。意地っ張り。」
『お前は誰かを本当に好きになった事が無いんだ。だから、応える愛を知っているはず無い。』
「それ、どういう理由で言い切ってるの?」
『本当に誰かを好きになった事があるなら、他人の愛し方を否定しない。』
うん、正解だ。
僕は誰かを愛した事なんて一度もない。
きっと、これからも愛する事なんて無いだろうな。
暇つぶしくらいにはなるだろうけど、そんなに深入りしたくないからね。
『気持ち悪い。』
「……」
『誰からも愛されない。どの世界でも孤独なくせに、ペラペラ喋りやがって。』
データにあったナマエちゃんって、こんなに暗い表情をしていたっけ?
少なくとも、京子って女の子の隣ではいつも笑っていたな。
「僕は孤独じゃないよ。仲間が居る。とても強い仲間がね。」
『そんな仲間も簡単に捨てるんでしょ?』
「やるべき事さえ出来なかったらね。」
ナマエちゃんが笑った。
笑顔ではない。
冷たく、見下した笑みだ。
『可哀想な男。』
可哀想なのは君だよ。
僕を理解すれば、幸せになれるのに。
(僕達は一生、分かり合えない)