一週間(雲雀夢)/死ぬ気ヒロ
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土曜日
ナマエと出掛ける約束をした日だ。
どうせ朝早くから行っても、起きてるわけが無い。
昼過ぎくらいに迎えに行こう。
……ていうか、これ初デートだ。
初デートがいきなりラブホって嫌だな。
まぁ、ナマエが行きたいなら仕方ないけど。
―ピンポーン―
チャイムを鳴らすと、ドアの向こうから足音が聞こえる。
良かった、起きてた。
―ガチャッ―
「はーい。」
「……」
「あぁ…君ですか。」
人懐っこそうな笑顔から、一気に冷めた目に変わった。
コイツは確か、ナマエのペットだったかな?
バジルとかバジリコとかそんな感じの名前。
「何ですか?今忙しいんですけど。」
「ナマエは?デートの約束したんだけど。」
「…デート?」
ペットが眉間に皺を寄せる。
デートって言葉に苛立ったのかな。
良い気味だ。
「ナマエ殿なら、朝早くから沢田殿達と出掛けましたよ。」
「……は?」
出掛けた?
「確か山本殿の野球の試合とか言っていましたね。昨夜は“ツナと仲直りしたー”とか言って喜んでましたよ。」
「あ……そう。」
「では、さようなら。」
バタンと、思い切りドアを閉められた。
「……」
忘れてる。
絶対、忘れてる。
仲直りした勢いで僕との会話が全部無かった事にされてる。
「はぁ…」
今からナマエを探しに行っても“何か用?”とか聞かれそう。
―緑たなびく並盛りの大なく小なく並が良い―
携帯に着信が入った。
画面を見ると、ナマエの名前が表示されている。
「…もしもし」
『あ、恭弥ー?』
「そうだよ。」
『聞いてよー!昨日さ、ツナが家に来て“今日は言い過ぎてごめんね”って言ってくれたの!』
「そう。」
『へへへー。昨日は心配かけてごめんごめん。』
それより、デートをバックレてる事を思い出そうか。
『じゃあ、これから山本の試合始まるからまたね!』
―プーップーッ―
「……」
その日僕は、無意味にバイクで走りつづけた。
土曜日、虚しい気持ちになった。