思春期番外編(白蘭夢)
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あたしが目を覚ました世界に、骸は居ないと言われた。
今が10年後の世界だとか僕が六道骸を殺しただとかほざく男に、今のあたしは世話されている。
最初は何ふざけてんだ殺してやろうか白髪野郎とか思ったけど、どうやら今が10年後というのは本当らしい。
『うっ!』
バタンッ、と派手な音を立ててあたしは真っ白で綺麗な床に倒れた。
少し離れたところから、嫌な笑い声が聞こえる。
「ホラホラ、そんな体力じゃあ僕からは逃げられないよ?」
『う、るさいっ!』
失われた体力と筋力。
10年という月日はあまりにも長くて、あたしはここから逃げたくても走る事が出来なくなっていた。
白髪の話では、出来るだけ筋力が衰えないようにサワダツナヨシのいる、ボンゴレの一員でもある医師達があたしの体をできるだけ動かしていたらしい。
本当なら一生歩けなかったとも言っていた。
『あたしは、ここから出るんだ!アンタとは居たくない!』
「その台詞は何回も聞いたよ。頑張ってね。」
白髪野郎はあたしを無理に止めるわけでもなく、逃げたくても逃げられないあたしを見て楽しんでる。
うまくこの建物から出た事はあった。
でも道が分からなくて、歩き疲れて気絶したらしい。
目が覚めたらまたこの部屋に居て、白髪がいつも通りニコニコしながら「もう少し体力つけてから動こうね」なんて言っていた。
あたしもバカじゃない。
今はこの部屋で体力作りをしている。
いつか、この部屋から出るんだ。
「此処から出て、どこに行くの?」
『何で逃げる相手に行く場所を教えなきゃいけないの。』
「あ、そっか。」
マシュマロを食べながらケラケラと笑う白髪。
死ね。
『気持ち悪いんだよ、お前。』
「……」
『その嘘臭い笑顔も、喋り方も…苛々する。』
何を考えてるのかわからない。
心から笑ってない。
あたしに敵意を向けてないように見えるけど、あたしが此処に居るという事は理由があるからだ。
「ふぅ。ナマエチャンはどの世界も、僕に対して敵意剥き出しだね。」
『…どの世界も?』
何言ってんの、コイツ。