思春期番外編(骸夢)
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
『ったく、今日は酷い日だったな。』
「冗談だったのに…」
『鼻血出しながら何言ってんだか。』
「前のページの事覚えてます?最後殴ったんですよ?」
『今はもう放課後ですぅー』
小説ってのは都合よく出来てるんだよ。
次のページにいけばもう何時間も経ってるんだ。
普段のあたしなら絶対に言わないけど、ですぅーとか言っちゃうんだ。
「あの…ナマエさん?」
『ん?』
呼ばれた方を振り向けば、知らない男が立っている。
見覚えは無い。
勿論話した記憶もだ。
「ぼ、僕…手紙を出した者です。来てくれてありがとう。」
『あたしは断る為に来たんだよ?』
「わかってる。でも、どうしても伝えたかったんだ。」
『…そう』
「あの、その人は?」
そう言って男が指差したのは骸だ。
他校なうえに、骸は男。
不思議に思うのも無理ない。
しかも骸は敵意剥き出しで、あっかんべを相手に向けてやっている。
『…ねぇ』
「は、はい。」
『あたしは京子が好きで、京子の為なら何でもするよ。それくらい京子に夢中なの。』
「えぇっ!?」
『骸煩い。』
「そう…だよね。うん、わかってたよ。」
『でも、そんなあたしを変えた人がいるの。』
「変えた人…?」
骸を横目で見ると、首を傾げている。
『あたしにも、大切に思う男の人が出来た。
前のあたしだったら、貴方の手紙なんて捨てたかもしれない。
あたしは貴方の気持ちに応える事は出来ないけど…あたしを、好きだと思ってくれてありがとう。』
ねぇ、骸。
あたし、貴方のお陰で変われたよ。
苦しい時もあるけど、あたしは骸に出会ってからきっと成長した。
「こちらこそ…ありがとう。告白した事、後悔してないよ。」
じゃあね、って言いながら彼は背中を向けて帰った。
「クフフンッ」
『…何それ?鼻歌?』
「いえね、僕って愛されてるなーって思いまして。」
『うん。愛してる。』
骸の方を見れば、目を見開いている。
『…何?気持ち悪い。』
「ナマエって感情に素直ですよね。」
『骸は本能に忠実だよね。』
あたしの体に入った途端、ベタベタ触ってたし。
「今すぐキスしたいくらい愛してますよ。」
あたしとした事が、不覚にもときめいた。
(とりあえず、手を繋いだ。)