一年は十二ヶ月(沢田夢)
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九月にまぶたとじる
俺は何か覚悟が必要な事を言うとき、瞼を閉じる癖があるらしい。
ミョウジさんの家に行きたいと言った時も、告白した時も、俺はきっと瞼を閉じ
ていた。
でも瞼を開けるといつも必ずミョウジさんは笑っていたんだ。
必死な気持ちをいつも受け入れてくれている気がして、凄く嬉しい。
「その、ミョウジさん…今日一緒に帰らない?」
『え、友達は?良いの?』
「俺が、ミョウジさんと一緒に帰りたいんだ。」
目を開ければ、ミョウジさんは笑っていた。
『ありがとう沢田君。嬉しい。』
俺も、その笑顔が見られて嬉しいよ。
言って良かったって思えるんだ。
「夏休みは忙しかった?」
『うーん…特に出掛けてないの。塾ばっか。』
「うわぁ、俺だったら死んじゃう。」
夏休み中、俺達は一度も会わなかった。
会いたいとは思ったけど、電話で誘うのがなんだか恥ずかしくて。
前にたまたま会ったコンビニにしょっちゅう足を運んでみたけど、ミョウジさん
は来なかった。
てっきり、友達と遊んでると思ったのに。
『沢田君は?』
「へ?」
『沢田君は夏休み楽しめた?』
「あ、うん…獄寺君達と海に行ったり。祭りで店もやったんだ。」
『わぁ、凄いね。何出したの?』
「チョコバナナだよ。」
そういえばこうやってゆっくり話すのは久しぶりだな。
「ねぇミョウジさん。」
『ん?』
「俺の事…好き?」
聞いてしまった。
久しぶりに聞きたかったんだ。
照れながらも笑顔で好きって言ってくれるのを。
また癖で瞼を閉じた。
『好きだよ…とっても。』
「ミョウジさん…」
瞼を開いて見えたミョウジさんは、確かに笑っていた。
悲しそうに。
「あの、」
『ごめんね、ここからは私1人で帰るね。』
「え…」
『じゃあまた明日ね、沢田君。』
俺の話も聞かずに先に行ってしまったミョウジさん。
その時にはもういつも通りの優しい笑顔を浮かべていた。
「……」
でも、あの悲しそうな笑顔が頭から離れない。
ミョウジさんは何か不安なんだろうか。
俺が、何か彼女を不安にさせたのだろうか。
「俺だって…好きなのに。」
瞼を閉じて開いても、もうミョウジさんはそこに居ない。
(抱きしめたいのに)
俺は何か覚悟が必要な事を言うとき、瞼を閉じる癖があるらしい。
ミョウジさんの家に行きたいと言った時も、告白した時も、俺はきっと瞼を閉じ
ていた。
でも瞼を開けるといつも必ずミョウジさんは笑っていたんだ。
必死な気持ちをいつも受け入れてくれている気がして、凄く嬉しい。
「その、ミョウジさん…今日一緒に帰らない?」
『え、友達は?良いの?』
「俺が、ミョウジさんと一緒に帰りたいんだ。」
目を開ければ、ミョウジさんは笑っていた。
『ありがとう沢田君。嬉しい。』
俺も、その笑顔が見られて嬉しいよ。
言って良かったって思えるんだ。
「夏休みは忙しかった?」
『うーん…特に出掛けてないの。塾ばっか。』
「うわぁ、俺だったら死んじゃう。」
夏休み中、俺達は一度も会わなかった。
会いたいとは思ったけど、電話で誘うのがなんだか恥ずかしくて。
前にたまたま会ったコンビニにしょっちゅう足を運んでみたけど、ミョウジさん
は来なかった。
てっきり、友達と遊んでると思ったのに。
『沢田君は?』
「へ?」
『沢田君は夏休み楽しめた?』
「あ、うん…獄寺君達と海に行ったり。祭りで店もやったんだ。」
『わぁ、凄いね。何出したの?』
「チョコバナナだよ。」
そういえばこうやってゆっくり話すのは久しぶりだな。
「ねぇミョウジさん。」
『ん?』
「俺の事…好き?」
聞いてしまった。
久しぶりに聞きたかったんだ。
照れながらも笑顔で好きって言ってくれるのを。
また癖で瞼を閉じた。
『好きだよ…とっても。』
「ミョウジさん…」
瞼を開いて見えたミョウジさんは、確かに笑っていた。
悲しそうに。
「あの、」
『ごめんね、ここからは私1人で帰るね。』
「え…」
『じゃあまた明日ね、沢田君。』
俺の話も聞かずに先に行ってしまったミョウジさん。
その時にはもういつも通りの優しい笑顔を浮かべていた。
「……」
でも、あの悲しそうな笑顔が頭から離れない。
ミョウジさんは何か不安なんだろうか。
俺が、何か彼女を不安にさせたのだろうか。
「俺だって…好きなのに。」
瞼を閉じて開いても、もうミョウジさんはそこに居ない。
(抱きしめたいのに)