一年は十二ヶ月(沢田夢)
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なきたい八月
夏休みに入ってからまだ一度も沢田君と会っていない。
沢田君が携帯を持ってないという事もあって、連絡もなかなかとれない。
会いたいな。
会ったからと言って何かしたい訳じゃない。
側に居られれば良い。
手を繋いでしまったらきっと、まともに話せなくなる。
抱きしめられたら、死にそうなくらい心臓が動いてしまう。
『……』
キスをされたら、もっともっと沢田君が欲しくなってしまう。
欲張りな女って思われたくない。
『電話…してみようかな…』
時計を見れば夕方の4時すぎ。
外で遊んでいれば家に居ないだろうし、家に居るならきっと暇かな。
私は電話の子機を握って、その電話帳に登録されている番号を一度押した。
―プルルルッ―
『……』
「はい、沢田です。」
何コールか鳴ると沢田君の声が聞こえた。
『あ、あの、ミョウジですっ』
「あぁ、ミョウジさん。どうしたの?」
電話って本当は好きじゃない。
無駄に緊張してしまう。
友達との無駄話なら気楽なのに、相手が沢田君だからだ。
沢田君の声の向こうが何だか賑やかだ。
もしかしたら獄寺君と山本君が居るのかもしれない。
『その…どうしてるかなって。今友達来てるの?』
「うん、そうなんだ。宿題で集まったんだけど…手こずっちゃって。」
宿題、私終わったよ。
手伝いに行こうか?
そう言いたいのに、言葉が出て来ない。
「ツナさーん!ハルこれ解けましたよ!」
『っ、』
「え、ハル本当!?」
「10代目、俺も解けました。」
「わ、ちょっと教えて……あ、ごめんねミョウジさん。また後でかけ直すよ。」
『うん。忙しいのにごめんね。』
「ううん。じゃあ、また。」
ガチャッ、という音の後にツー、ツーと機械音が流れた。
電話が切れた事を確認してから私も電話を切る。
『今の…女の子…』
誰?
学校で沢田君と話す女の子に、ハルなんて名前の子居ない。
獄寺君の声も聞こえたから、きっと山本君も居ると思う。
でも、でも…
“え、ハル本当!?”
ハルって呼ぶんだ。
私の事はミョウジさんなのに。
私だって勉強くらい教えられるのに、私じゃなくてハルさんを呼んだんだ。
『…うっ』
涙が出た。
ただ、これだけの事なのに。
私、心が狭くなったのかな。
『沢田君っ』
私は今寂しくて沢田君に凄く会いたいよ。
何でも良いの。
宿題でも、くだらない話でも。
ただ、顔を見たかったの。
そう思っていたのは私だけ?
沢田君は会いたいって思ってないのかな?
『沢田君…寂しいよぉ』
その日、沢田君からの電話は来なかった。
(彼は今、誰と笑っているんだろう)
夏休みに入ってからまだ一度も沢田君と会っていない。
沢田君が携帯を持ってないという事もあって、連絡もなかなかとれない。
会いたいな。
会ったからと言って何かしたい訳じゃない。
側に居られれば良い。
手を繋いでしまったらきっと、まともに話せなくなる。
抱きしめられたら、死にそうなくらい心臓が動いてしまう。
『……』
キスをされたら、もっともっと沢田君が欲しくなってしまう。
欲張りな女って思われたくない。
『電話…してみようかな…』
時計を見れば夕方の4時すぎ。
外で遊んでいれば家に居ないだろうし、家に居るならきっと暇かな。
私は電話の子機を握って、その電話帳に登録されている番号を一度押した。
―プルルルッ―
『……』
「はい、沢田です。」
何コールか鳴ると沢田君の声が聞こえた。
『あ、あの、ミョウジですっ』
「あぁ、ミョウジさん。どうしたの?」
電話って本当は好きじゃない。
無駄に緊張してしまう。
友達との無駄話なら気楽なのに、相手が沢田君だからだ。
沢田君の声の向こうが何だか賑やかだ。
もしかしたら獄寺君と山本君が居るのかもしれない。
『その…どうしてるかなって。今友達来てるの?』
「うん、そうなんだ。宿題で集まったんだけど…手こずっちゃって。」
宿題、私終わったよ。
手伝いに行こうか?
そう言いたいのに、言葉が出て来ない。
「ツナさーん!ハルこれ解けましたよ!」
『っ、』
「え、ハル本当!?」
「10代目、俺も解けました。」
「わ、ちょっと教えて……あ、ごめんねミョウジさん。また後でかけ直すよ。」
『うん。忙しいのにごめんね。』
「ううん。じゃあ、また。」
ガチャッ、という音の後にツー、ツーと機械音が流れた。
電話が切れた事を確認してから私も電話を切る。
『今の…女の子…』
誰?
学校で沢田君と話す女の子に、ハルなんて名前の子居ない。
獄寺君の声も聞こえたから、きっと山本君も居ると思う。
でも、でも…
“え、ハル本当!?”
ハルって呼ぶんだ。
私の事はミョウジさんなのに。
私だって勉強くらい教えられるのに、私じゃなくてハルさんを呼んだんだ。
『…うっ』
涙が出た。
ただ、これだけの事なのに。
私、心が狭くなったのかな。
『沢田君っ』
私は今寂しくて沢田君に凄く会いたいよ。
何でも良いの。
宿題でも、くだらない話でも。
ただ、顔を見たかったの。
そう思っていたのは私だけ?
沢田君は会いたいって思ってないのかな?
『沢田君…寂しいよぉ』
その日、沢田君からの電話は来なかった。
(彼は今、誰と笑っているんだろう)