一年は十二ヶ月(沢田夢)
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二月のこきゅう
沢田君。ミョウジさん。
それが私と沢田君の呼び方で、その程度の関係。
同じ学校に通う同じクラスだというだけ。
でも私はこの1年弱で沢田君はとても楽しそうに笑うようになったと思っている
。
どうして私が気付けたかというと、私が沢田君に気があるから。
これが恋愛感情と呼べるかどうかは分からないけど、実は結構見ていたりする。
ただあまり話したことはなくて、1月にぶつかった事をキッカケに毎朝挨拶を交
わすようにはなった。
最初は照れながら挨拶していた沢田君も今では普通にしてくれる。
私も最初沢田君に挨拶された時は少し焦って声が裏返ってしまった。
そんなこんなで少しずつ仲良くなる沢田君に、バレンタインのチョコを渡すべき
か悩んでいる。
恋愛感情云々を無しで、友達として。
勿論沢田君1人に作るわけではなく、他の友達男女関係なく作るけれども。
つまり全て義理チョコ、というやつだ。
でも迷惑ではないかな?
そんなに親しくないのにって思われないかな?
『…作っちゃった。』
一応。
もしかしたら、向こうもちょっとは期待してるかもしれない。
「おはようミョウジさん。」
『っ、お、おはよっ』
「どうしたの?」
私が動揺した事に気付いたらしい沢田君。
そりゃあ気づくか。
靴をぬいで上履きをはきながら何でもないよと答えておいた。
ていうか、何で沢田君が居るの!?
だって私はいつもより早く――…
『…沢田君、今日学校に来るの早くない?』
そうだ。
私と沢田君はいつも同じくらいの時間に来ている。
私は今日風紀委員に持ち物検査される事を避けたくて早く来た。(バレンタインと
かのイベントの時はやたら持ち物に煩いんだよね。)
だから、沢田君に会うわけ無いのに。
「ミョウジさんも早いね。」
『まぁ、ね…バレンタインだし。』
「誰かにわたすの?」
『全部義理だよ。』
「へぇ」
『……』
どうしよう、渡そうかな。
今しっかり義理チョコ宣言したし、変な勘違いはしない…と思う。
それにせっかく作ったんだから、わたさなきゃ。
「はい。」
『え…?』
沢田君から差し出されたのは可愛らしくラッピングされた小さな包み。
「男があげるのって変かもしれないけど…感謝の気持ち。」
『感謝?』
「うん。ミョウジさんは俺のこと分かってくれたから。」
沢田君が何を言ってるか分からないけれど、つまり義理チョコらしい。
女友達から貰う事はあっても男友達から貰うのは初めてだ。
ちょっとときめいてしまった。
『あ…ありがとう。』
「うん。じゃあ、また教室でね!」
『あ、』
行ってしまった。
チョコ渡せなかった。
何だかタイミングを逃してしまったな。
でも沢田君はたぶん、教室には向かわなかった。
今私が教室に行っても会えないだろう。
『…トリュフだ』
どこかお菓子屋で買ってくれたのかな?
きっと恥ずかしかったんだろうな。
でも沢田君は買ってくれたんだ。
嬉しいな。
『…美味しい』
ホワイトデーに何かしよう。
(口の中では甘く溶けるのに、呼吸をしたら少し苦かった)
沢田君。ミョウジさん。
それが私と沢田君の呼び方で、その程度の関係。
同じ学校に通う同じクラスだというだけ。
でも私はこの1年弱で沢田君はとても楽しそうに笑うようになったと思っている
。
どうして私が気付けたかというと、私が沢田君に気があるから。
これが恋愛感情と呼べるかどうかは分からないけど、実は結構見ていたりする。
ただあまり話したことはなくて、1月にぶつかった事をキッカケに毎朝挨拶を交
わすようにはなった。
最初は照れながら挨拶していた沢田君も今では普通にしてくれる。
私も最初沢田君に挨拶された時は少し焦って声が裏返ってしまった。
そんなこんなで少しずつ仲良くなる沢田君に、バレンタインのチョコを渡すべき
か悩んでいる。
恋愛感情云々を無しで、友達として。
勿論沢田君1人に作るわけではなく、他の友達男女関係なく作るけれども。
つまり全て義理チョコ、というやつだ。
でも迷惑ではないかな?
そんなに親しくないのにって思われないかな?
『…作っちゃった。』
一応。
もしかしたら、向こうもちょっとは期待してるかもしれない。
「おはようミョウジさん。」
『っ、お、おはよっ』
「どうしたの?」
私が動揺した事に気付いたらしい沢田君。
そりゃあ気づくか。
靴をぬいで上履きをはきながら何でもないよと答えておいた。
ていうか、何で沢田君が居るの!?
だって私はいつもより早く――…
『…沢田君、今日学校に来るの早くない?』
そうだ。
私と沢田君はいつも同じくらいの時間に来ている。
私は今日風紀委員に持ち物検査される事を避けたくて早く来た。(バレンタインと
かのイベントの時はやたら持ち物に煩いんだよね。)
だから、沢田君に会うわけ無いのに。
「ミョウジさんも早いね。」
『まぁ、ね…バレンタインだし。』
「誰かにわたすの?」
『全部義理だよ。』
「へぇ」
『……』
どうしよう、渡そうかな。
今しっかり義理チョコ宣言したし、変な勘違いはしない…と思う。
それにせっかく作ったんだから、わたさなきゃ。
「はい。」
『え…?』
沢田君から差し出されたのは可愛らしくラッピングされた小さな包み。
「男があげるのって変かもしれないけど…感謝の気持ち。」
『感謝?』
「うん。ミョウジさんは俺のこと分かってくれたから。」
沢田君が何を言ってるか分からないけれど、つまり義理チョコらしい。
女友達から貰う事はあっても男友達から貰うのは初めてだ。
ちょっとときめいてしまった。
『あ…ありがとう。』
「うん。じゃあ、また教室でね!」
『あ、』
行ってしまった。
チョコ渡せなかった。
何だかタイミングを逃してしまったな。
でも沢田君はたぶん、教室には向かわなかった。
今私が教室に行っても会えないだろう。
『…トリュフだ』
どこかお菓子屋で買ってくれたのかな?
きっと恥ずかしかったんだろうな。
でも沢田君は買ってくれたんだ。
嬉しいな。
『…美味しい』
ホワイトデーに何かしよう。
(口の中では甘く溶けるのに、呼吸をしたら少し苦かった)