思春期な僕ら2-15.5-
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もう嫌だ。
疲れた。
『もっと早くに…骸に触れられるようになっておけば良かった。』
「……」
『もっと沢山、骸に触れたかった!』
サワダツナヨシとの戦いの時、
骸だけを好きでいたなら、
骸を応援したのに。
あの時はまだ気持ちに気付かなくて、
京子の事しか頭になくて、
迷わず骸を手放したのに。
今更気付くなんて、あたしは愚かだ。
「ナマエ。僕は、ナマエと黒曜で過ごして…とても楽しかった。」
『…うんっ』
「“京子”の代わりでも、名前を呼んでもらえなくても良いと、思っていました。」
『……』
そっと、骸を見る。
その顔は凄く穏やかで、優しい。
「しかし、僕がボンゴレ10代目に負けた瞬間…
ナマエに名前を呼んで頂けて、
しかも“僕”の為に涙を流して…
そして、やっと触れられた。」
あたしの頬に、骸が触れた。
「だから、ナマエと離れて…苦しかった。」
『骸…』
「また、触れたい。
名前を呼んで欲しい。
“京子”の為ではなく、“僕”の為だけに笑って欲しい。」
そう思うのって、強欲ですか?って、聞かれた。
あたしは黙って首を横に振る。
「だから、脱獄をしました。」
『失敗したけどね。』
「クフフ…まぁ、そう言わないでください。」
骸が、あたしの手を引く。
あたしは骸に導かれるまま手を動かすと、骸の頬に触れた。
「この体を借りて…やっと、ナマエに会えた…」
『む、くろっ』
骸があたしの手に気持ちよさそうに擦りつく。
髪の毛があたって、くすぐったい。
髑髏の頭は少し小さくて、あたしの手で掴めてしまいそう。
「でも、僕は…ナマエに触れるには、汚れすぎている。」
『え…』
「僕はボンゴレとの戦いまでに、何度もナマエを泣かせてしまった。」
『そ、んな…そんなのっ』
言葉が出なくなった。
骸の目から、涙が流れている。