思春期な僕ら2-15.5-
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「…何故嫌がるんですか?」
『だ、だって…骸、男だし…』
「これは、クロームの体ですよ?」
分かってる。
でも、でも…
『骸と髑髏は違うよ…』
恥ずかしくって、骸の顔が見れない。
ただ、笑っている事は分かる。
「まぁ…そんなに緊張しないでください。今夜は、少し話しながら寝ましょう。」
『ん…』
薄い羽毛を1枚一緒にかけた。
うつ伏せに寝て横を見ると、骸の顔が目の前にある。
「ナマエとなかなかゆっくり話す機会がなかったですからね。」
『何を話したいの?』
「さぁ…」
さぁ、って何だ。
「ナマエの初恋話しでも聞きたいですね。」
『初恋、ねぇ…』
そんなの聞いて楽しいのか?
「やはり、女性だったんですか?」
『んー…まぁ…ね。』
「“京子”とか?」
『違う。お母さんだよ。』
「…母親?」
あたしを生んでくれたお母さん。
あたしの初恋の人。
でも、勿論報われる訳がない。
あたしの“種”が、あたしが生まれる何年も前からお母さんと出来ていたんだから。
『だから…父親嫌い。』
「おかしな話しですね。父親あってのナマエでしょう?」
『……』
骸を睨む。
骸は不味い事を言ったと気付いたのか、苦笑いを浮かべた。
『次に好きになったのが、京子。』
京子との出会いは、今でも鮮明に思い出せる。
初めて見たのは、入学式の時だ。
好きになったのは、クラスで自己紹介をしている時。
あぁ、そういえばあの時サワダツナヨシの存在も知ったんだっけ?
『…っ、』
「ナマエ?」
涙が出そうになって、枕に顔を押し付けた。
骸はどうしたのかと、あたしの頭を撫でる。
『も…やだ…』
あたしの頭を撫でるその手も、振り払いたい。
でも、払えない。
『誰も…あたしを、一番にしてくれないのにっ…あたしばっかり好きで……っ』
骸の撫でる手が、止まった。