喜狂番外編/ひぐらしパロ(後編)
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次の日、学校に行くと10代目の手には沢山の絆創膏が貼られていた。
獄寺隼人や山本武が尋ねても“ドジして挟んだ”としか答えなかった。
―キィ―
「おいナマエ。」
トイレから出ると、獄寺隼人がいた。
『…女性をトイレで出待ちするのはどうかと思いますよ。』
「う、うるせっ!!」
顔が真っ赤だ。
「あのなぁ、お前…一体どうしちまったんだよ。」
『は?』
「まだ本調子じゃねぇのかって聞いてんだよ!!10代目だって寂しがってんだろうが!!」
『別に…何か悪い事をしてるわけでもないんだし…』
「俺達仲間だろ!?何か悩んでるなら、言えよ…隠し事しねぇでさ。」
『……』
仲間?
『獄寺隼人にとって…隠し事をしないのが仲間ですか?』
「あ?あぁ、まぁ…そうだと思うぜ。」
『嘘つき。貴方達は、あたしに隠し事をしていた。』
「は?」
手が、震える。
これは怒りだ。
『あたしに、生贄の事黙ってたじゃないですか!!何が隠し事をしないのが仲間だ!!』
「あれは…ナマエを怖がらせたくなくて…」
『そんな理由で除け者!?仲間には隠し事をしないのでしょう!?』
「っ、」
『あぁ、そうだ…お萩、美味しかったですよ。血が出るほど。』
「っ!!」
『やったのは誰ですか。』
「…俺だ。」
『あんなの、下手したら死んでますよ!?仲間によく出来ますね。』
「死ぬって…ただ、ふざけただけだろ。」
ふざけただけ?
冗談じゃない!!
―ダンッ―
あたしは思い切り、壁を殴った。
『貴方達は仲間じゃない!!あたしにもう近づくな!!』
それだけ言って、獄寺隼人の横を通り抜ける。
「ナマエ…何で…」
獄寺隼人の声が、弱々しく聞こえた気がした。
『…くっ…』
拳を強く握って、進む。
あたしは消されたくない。
生き延びたい。
今胸が苦しいのは、皆さんの事をまだ好きだから。
でも、その感情もいずれ消える。