喜狂番外編/ひぐらしパロ(後編)
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「ナマエちゃんの夕食、当ててみようか。」
10代目が、ニコニコしている。
「カップヌードルでしょ?」
『っ!!な、んで…』
「ダメだよ。ちゃんとバランス良く食べないと、体力回復しないよ?」
『何で、わかるんですか!!』
あたしが怒鳴ると、10代目はクスクスと笑った。
「さて。何でだと思う?」
『何でって……っ!!』
休み時間に山本武がいなかった。
昨日まではあった筈の裁縫針が無くなっていた。
そして、10代目があたしの夕飯を言い当てた。
間違いない。
山本武が、この部屋に入ったんだ。
「ねぇ…ナマエちゃん、ここを開けてよ。」
―ガシャンッ―
ドアの隙間から10代目の手が入って来て、チェーンを掴む。
「開けて」
―ガシャン、ガシャンッ―
『やめ…て』
―ガシャンガシャンガシャン―
『帰って…帰ってよ…』
―ガシャンガシャンガシャンガシャンガシャンガシャンガシャンガシャンガシャンガシャンガシャンガシャンガシャンガシャンガシャンガシャンガシャンガシャンガシャンガシャンガシャンガシャンガシャンガシャンガシャンガシャン―
『もう…帰って!!帰ってよ!!!』
―バンッ―
「う゛っ!!」
10代目の手があるのにも関わらず、あたしはドアを思い切り閉めようとした。
でも、10代目の手が挟まれていて、閉まらない。
『帰って帰って帰って!!』
「うあ゛ぁっ!!ナマエちゃん、手が痛いんだ!!ふざけすぎたなら、謝るから…っ」
10代目の手が、ギシギシと悲鳴をあげている。
それでもあたしは怖くて、ドアを閉めようと取っ手を引き続ける。
『帰って帰って帰って帰って帰って帰って!!』
「待って…本当に痛いんだ!!ごめん、ごめん!!」
ゆっくり、指が抜かれていく。
―バタンッ―
そして、ドアは完全に閉められた。
―ガチャン―
『ハァ、ハァハァ…』
鍵を閉めて、その場に座り込む。
「ごめん…ナマエちゃん、ごめんね…ごめん…」
ドアの向こうでは、まだ10代目が立っているらしい。
謝罪の言葉が、ずっと聞こえている。
『…もしもし。お待たせしました。』
―ツーツーッ―
『……』
雲雀恭弥との電話は、もう切れていた。