喜狂番外編/ひぐらしパロ(前編)
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
10代目はあたしに嘘をついた。
去年も一昨年も、生贄はいない…と。
でも、実際は生贄がいた。
そして、あたしに生贄について話した六道骸が昨日…祭りの後に行方不明となった。
生贄は、今年も起きたんだ。
「ナマエちゃん?」
『っ、』
10代目との帰り道。
あたしは、気がついたらボーっとしていたらしい。
「大丈夫?眠いの?」
『すみません…大丈夫です。』
きっと10代目は、何かを知っている。
でも、それをあたしに隠してる。
そんな気がする。
『あの…10代目。』
「ん?」
『10代目や獄寺隼人や山本武は、あたしに…嘘や隠し事をしていますか?』
「んー…してないよ。全然。」
どうして、そんな平然と答えられるの?
実際に、10代目はあたしに隠し事したでしょ?
六道骸に言われて、怒ったでしょ?
『…嘘ですよね。』
「……」
『みんな、あたしに隠し事してる!!祭りの生贄の事だって、知らなかった!!』
あたしが珍しく怒鳴ると、10代目は俯いて、表情を隠した。
「ふぅん…昨日、骸に言われた事…気にしてるんだ。」
『それはっ』
「じゃあ聞くけどさ、ナマエちゃんは俺達に隠し事や嘘ついてないかな?」
―ドクンッ
心臓が、軽く跳ねた気がした。
頭の中に、雲雀恭弥との会話が蘇る。
『してない…ですよ。何も、隠してなんか…』
「へぇ。じゃあ、今日雲雀さんに呼ばれてたよね。あれ、何で?」
どうして、知ってるの?
『あ…あはは…何言ってるんですか…あたし、雲雀先輩に呼ばれてたなんて…』
冷や汗が出てくる。
気分が悪い。
「……だろ。」
『え?』
「嘘だろ!!」
『っ!!』
空気が、ピリピリと痛い。
10代目があたしを睨んでる。
きっと凄く、怒ってるんだ。
「ねぇ…ナマエちゃん。君に隠し事があるように…俺達にもあるんだよ。」
あたしの目の前まで10代目が近づくと、耳元でそう囁く。
あたしが黙っていると、10代目は離れた。
「さ、帰ろう。今日は、早く寝なくちゃ。」
『あ…』
それは、いつもの10代目だ。