喜狂番外編/ひぐらしパロ(前編)
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応接室に来たのは、転入挨拶以来かもしれない。
『相変わらず人通りがないですね。』
「いたら咬み殺すからね。」
―ガチャッ―
「入りなよ。」
『失礼します。』
あ。
応接室ってやっぱ、気温が丁度いい。
『…で、どうしたんですか?』
「うん。さっそく本題に入るけど、昨日…祭りの時に六道骸達に会わなかった?」
『屋台の所で会いましたね。すぐに別れましたけど。』
「それ、何時頃?」
『えっと…昨日雲雀先輩と会って…そのあとすぐだったので、6時半くらいですね。』
「そう…」
あたしの答えが、少し期待外れだったらしい。
一体、どうしたんだろう。
『あの、何か…あったんですか?』
「……」
『……』
沈黙。
それは、肯定を示している。
「まだ…ハッキリしていないから、口外はしないでね。」
『はい。』
何だろう、嫌な予感がする。
「祭りの晩から、六道骸とその群れが…行方不明なんだ。」
『行方…不明…』
嘘、そんな…
昨日会ったばかりなのに。
「黒曜中にも、あいつらのアジトにも居なかった。」
『まさか…生贄?』
「…さぁね」
一昨年も、去年も、起こった。
そして今年も…起こっていたんだ。
『死…んじゃったんですか?』
「わからないよ。死体も出てないからね。」
雲雀恭弥は、とくに寂しそうな表情は浮かべていない。
生きてると信じているのか…
それとも、そもそもどうでも良いのか。
「この事は、誰にも…特に、沢田綱吉達には絶対に言ったら駄目だよ。」
『10代目達に?』
何故?
「彼らはこの学校でも少し目立ってるからね。それに、六道骸達との関係もあまり良くない。」
そういえば、昨日もあまり良い感じはしなかった。
『わかりました…でも、それをどうして、あたしに話すんですか?』
「沢田綱吉達に聞くとまたややこしいからね。」
成る程。
「用はそれだけだから。帰って良いよ。」
『はい。じゃあ、失礼しました。』
―バタンッ―
応接室を出て、あたしは教室まで走った。
不思議と、眠気はもうない。