喜狂番外(雲雀夢)
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「…何か用?」
『あの…何か手伝える事はありますか?』
「何、突然。」
『10代目をお守りするという任務があるとはいえ、無条件で学校に出入りするのもあまりスッキリしないので。』
「……」
淡々と話す彼女に、苛立った。
それと同時にきた、胸の痛み。
ペンを机に置いて、立ち上がった。
『…具合でも悪いんですか?』
「うるさいよ。」
『じゃあ、ソファに横になっててください。仕事はあたしがやりますよ。』
「…うるさい。僕は少し休むだけだから。仕事、そんなにやりたいなら勝手にやれば。」
『はい、勝手にやります。』
「……」
ムカつく。
―カリカリ―
『……』
「……」
ペンを握り、仕事をする音が聞こえる。
僕はソファで横になって、目を閉じた。
「…ねぇ。」
『はい。』
「何で、あんな奴の側に居るの?」
『…あんな奴?』
ピタッ、とナマエのペンが止まった。
「弱いし、群れなきゃやっていけないし。あんなの、守る必要ないよ。」
『10代目の事ですか?』
「そうだよ。」
『……』
目を閉じているから、彼女の表情が読めない。
『10代目は、弱くなんてないですよ。』
「言うと思った。」
『仲間が、大切なんです。』
「ありきたり。」
『あたしは、そんな10代目が好きですよ。』
「……」
『優しくて、仲間思いで…10代目が辛いなら、あたしは10代目の側にいたい。支えていたい、です。』
「っ、」
胸が苦しい。
ズキズキ痛む。
同時に、苛々する。
『…雲雀先輩?』
「出てって。」
僕はソファから体を起こして、ナマエを睨んだ。
『でも、仕事…』
「いいから出てって。」
『…はい。』
渋々承知したナマエは、席を立ち扉へ向かった。
『また、手伝える事があったら言ってくださいね。』
「…君に出来るような仕事、僕一人で出来るよ。」
『はは、そうですね。じゃあ、失礼しました。』
―パタンッ―
ゆっくり扉が閉じられた事を確認して、僕は溜め息を吐いた。
「馬鹿馬鹿しい。」
なら、どうして、
こんなに胸が苦しいんだろう。
終わり